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(第12回)逆行する半球

連載
BO NINGENの人生一度きり
公開
2014/01/31   17:00
更新
2014/01/31   17:00
テキスト
文/Kohhei Matsuda(BO NINGEN)


ロンドン在住のバンド・BO NINGENが、現地の音楽やアートにまつわるあれこれを紹介する連載! 第12回は、ギターのKohheiが夏真っ盛りのオーストラリアから近況をお届け!



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年も明けて2014年最初の月が終わろうとしていますが、いかがお過ごしですか。寒いですか。
こちらは真夏。オーストラリアにいます。
前回の日本ツアー(2013年夏)から時間の流れが錯綜していて、時が止まったままのような常夏感。実際には少しの秋といつもの冬のなか、ツアーしたり作曲/レコーディングに勤しんでおりました。
12月頭からクリスマス、新年を跨ぎ、オーストラリアへの出発直前までスタジオにこもっていましたので、時間と空間の感覚が脱臼したままです。



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名器エコープレックス



オーストラリア各地を巡る真冬の夏フェス(南半球なので)、〈ビッグ・デイ・アウト〉へ出演するためにかの地へ飛ぶ前日、日帰りパリ観光。服は全部もらいもの、の僕でも知っている某ブランドの写真撮影の仕事でした。雨のなか、セーヌ沿いを散歩したり、ラーメンを食べたり(パリなのに。でもイギリスのものと比べるまでもないのはもちろん、日本と比べても及第点)。



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観光



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高い塔



翌日は30時間に及ぶ大移動。ロンドン~韓国~シドニー~ゴールド・コースト。オーストラリアの空港に降り立ち、煙草を吸いに外へ出ると夏。ロンドンの1年分くらいの日光を5分で浴びました。
諸事情により荷物をミニマイズしなければならなかったため、コートの処遇に困る。



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韓国~シドニーの乗り継ぎ待ち



そして今回あてがわれたホテルへ。10階のオーシャン・ヴュー。山に囲まれた土地で育ったので感動。初日は水着を買ったりした後、ブラックアウト。



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夏休み。休みじゃないけど



翌日はフェスティヴァル会場へ。楽屋に日本風のお菓子が置いてある温かい気遣い。ステージは野外でしたが直射日光に晒され、暖かいどころではない。スタジオで長い時間を過ごしすぎたせいか最初は硬かったものの、数曲でノってきていつもの感じ。疲れたのでプライマス、マッドハニーなどのステージに後ろ髪を引かれながら帰宅。1時間ほど寝た後、ホテルのバーでゆうき君、ツアー・マネージャーのタイソンらと呑む。オーストラリア・ドルの感覚に慣れていないので高いのか安いのかわからない。しばらく歓談した後、ひとり海へ。誰もいない真夜中の浜辺で気分良く呑む。全身をくまなく蚊に刺されて痒い。



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リゾート風。ライヴ前だけど



フェス翌日から4日間ほどオフなので、タイゲン君、モンちゃんと海へ。
波が高すぎて泳ぐとかいう問題ではないものの、海で遊ぶのは相当久しぶりなのでテンションが上がり、ひとしきり波に翻弄されて自然の大きさを知る。その後、海辺の商店でアイスを買い、ぶらぶらする。夏休みの帰り道のような、ノスタルジックな感覚。リゾート地なのに混み合ってないので楽しい。



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夏休み



その翌日、オフだと思っていたら、急遽ライヴに。ブリスベンにあるレコード/楽器屋にてインストア。店主のティムさんはダイナソーJrのJ・マスシスやマッドハニーのメンバーにエフェクト・ペダルを作っているそうです。
楽器類はすべてフェスのトラックに積まれて次の会場へ向かっているため、ティムさんからギター、アンプ、ペダルをお借りすることに。僕はもちろん、SGを。年代は忘れましたがかなり乾いたヴィンテージ。ゆうき君はジャズ・マスター。ティムさんお手製のペダルも。かなりガッツのあるファズでした。タイゲン君はその場で購入。



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空調のない店内での演奏は汗と蒸気のなかで泳いでいるような感覚。直前の告知にもかかわらず集まってくれたお客さんに感謝。小学生くらいの子供から中年のおじさんまで幅広い。
その後、タイソンお薦めの日本料理屋へ。どうせ日本風のアレでしょ、とか思っていたら、かなり本格的な日本の大衆居酒屋。日本にいるのかと錯覚するくらいの刺身とビール・ジョッキ。西部劇スタイルのタイソンは生の牛肉を乗せた寿司がお気に入り。

そして翌日(今日)、タイソンの運転でオーストラリアの東端、バイロン・ベイへ。山と、崖と、海。これほど視界が開けたのはかなり久しぶりなので昂揚と鎮静。その後、なぜかお茶の色をした湖でひとしきり泳ぎ、ホテルへ戻る。嵐の予感の雷鳴を聴きながらこれを書いています。



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明日はメルボルンへ飛び(都市間が広すぎるので国内の移動はすべて空路なのです)、ラジオ、ショウケース・ライブ、そして〈ビッグ・デイ・アウト〉。
その後、シドニー、アデレード、パースと続き、2月頭に赤道を越えて日本へ。東京/名古屋/大阪のみのささやかなツアーでありますが、少しでも多くの人にお会いできることを願っております。いままでとは趣の違う新曲も多数。常に現場が最先端です。いま、何が起こっているのか、あなたの目で確かめてください。



PROFILE/BO NINGEN



Taigen Kawabe(ヴォーカル/ベース)、Kohhei Matsuda(ギター)、Yuki Tsujii(ギター)、Akihide Monna(ドラムス)から成る4人組。2006年、ロンドンのアートスクールに通っていたメンバーによって結成。2009年にアナログ/配信で発表した『Koroshitai Kimochi EP』が現地で話題となり、〈Offset Festival〉をはじめとした地元メディアからも注目を集め、UKツアーのみならず、日本盤の発表後は日本でのツアーも成功させる。2011年にミニ・アルバム『Henkan EP』をリリース。最新作となるセカンド・アルバム『Line The Wall』(Stolen/ソニー)の日本盤も大好評。間もなくオーストラリアでの〈ビッグ・デイ・アウト〉全行程を終えて、いよいよ日本上陸! THE NOVEMBERSをゲストに迎えた〈BO NINGEN HEADLINE LIVES 2014〉が始まりますよ! 詳しくは以下の通り。そして3月にはUSで〈SXSW〉、4月に〈コーチェラ〉への出演も決定しております!! 最新情報はこちらのサイトでチェック!

〈BO NINGEN HEADLINE LIVES 2014〉with THE NOVEMBERS

●2月8日(土) 東京:代官山UNIT
開場:17:00 開演:18:00
info:HOT STUFF 03-5720-9999 〈doobie-web.info〉
●2月13日(木) 大阪:Pangea
開場:18:30 開演:19:00
info:清水音泉 06-6357-3666 〈www.shimizuonsen.com〉
●2月14日(金) 名古屋:CLUB UPSET
開場:18:30 開演:19:00
info:JAIL HOUSE 052-936-6041 〈www.jailhouse.jp〉



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