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【第20回】――Especia〈拡大版〉

連載
ZOKKON -candy floss pop suite-
公開
2013/05/22   17:59
更新
2013/05/22   17:59
ソース
bounce 355号(2013年5月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/出嶌孝次


曲に合わせて背伸びしてる感じ



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メンバーは左から、森 絵莉加(17歳)、杉本暁音(21歳)、冨永悠香(19歳:リーダー)、脇田もなり(18歳)、三瀬ちひろ(19歳)、三ノ宮ちか(23歳)



聴けばわかるさ!というのは安直ですが、まずはそう言わせてください。大阪・ミナミは堀江を拠点に、昨年6月に始動したEspecia。80sのブラコン~ディスコを基調にした都会的なサウンドと〈おばちゃん風〉とも評されるヴィヴィッドなファッション性の高さから、早耳なリスナーの間で噂を広げてきた6人組です。とりわけ注目していただきたいのが、BiSなどで知られるSchtein&Longer(SCRAMBLES)のプロデュースした楽曲そのもののカッコ良さ。「私たちのライヴは盛り上がりながら聴いている人と、お酒を片手にダンスしてる人に分かれてるんです」(脇田もなり)との発言にも納得の出来映えなのです!

三ノ宮ちか「もう何がってお洒落! シャレオツ! オシャンティー! みんなが曲に合わせて背伸びしてる感じがすごく好きです。アーバン!! 身体が勝手に音に合わせてユラユラ、腰がクネクネとリズムを取って踊ってしまう! 聴いててちょー気持ちいい! ドライヴとかにもってこいです!」

三瀬ちひろ「私はEspeciaの楽曲が大好きやし、誇りを持っています。80sをコンセプトにした衣装とディスコ・ミュージックが超イケてると思います!!」

冨永悠香「人と同じことしても注目されないし、よっぽど可愛くて歌とダンスが超踊れても注目されないのが現実ですよね。だからこんな個性的で素敵な楽曲を歌わせてもらってるのは本当に嬉しいことです! 最初はデモとか貰っても聴き慣れないサウンドに戸惑ってました(笑)。いまでは低音がぼんぼん響く感じやサックスのソロやカッティング・ギターや大人びた歌詞とか、たくさんEspeciaの曲の魅力を知ってます。あ、楽器もメンバーの一部です(笑)」

森 絵莉加「Especiaの最大の特徴は、やっぱり最高な楽曲です。他のグループの方には負けません! Especiaの曲は、お酒を飲みながら、身体をゆらゆらして聴いたりしても楽しんでもらえるような、そういうところがいちばんの魅力だと思ってます」

杉本暁音「Especiaの曲といえば、80年代のディスコ・サウンドなんですが、それだけじゃ表せなくて、曲や歌詞にキラキラした部分がたくさん入っていると思います! 曲によって、それぞれのリズムは違うけど、どれもEspeciaにしかない雰囲気にハマってしまって、何度聴いても飽きない。歌詞には、魔法っぽいというか、小悪魔っぽい部分がたくさんあったりするんですが、深い切なさも本当に情景が思い浮かぶような綺麗な言葉で描かれていて、男の人にも共感してもらえると思います!」

もなり「やっぱりアイドルイヴェントとかに出ると、唖然とされることはあります……。でも、曲は大好き! オシャレな雰囲気だし、歌詞もめっちゃオシャレだし、こういうアイドルもありじゃないかな?って私は思ってます! 単純にアイドルが好きな人だけじゃなくいろんな人に楽しんでもらえる音楽だと思います!」



思い出がありすぎて



結成当初は「とにかく間違えないように!みたいな、文化祭の出し物に臨むような軽い意識でした……」(悠香)という彼女たちですが、〈Especial Especia〉と題されたマンスリーの定期ワンマン、数々のイヴェント出演、メンバーの脱退などなど、およそ1年の紆余曲折によって、たくさんの思い出と意識の変化が生まれてきたようです。

絵莉加「印象に残ってることは、ありすぎて……でも! いろんなアイドルさんやアーティストさんと対バンさせていただいた時は、まだまだこれからがんばらないといけないな!!っていう気持ちに毎回なってます。東京でのワンマンライヴも、初めてワンマンしたのにたくさんの方々が来てくださって、無事成功したことと、その日は〈絵莉加〉が卒業し、〈森絵莉加〉が加入したことが印象深いです……(笑)」

もなり「意識は確実に変わりました! みんなのやる気が前までバラバラだったりもしたんですが、いまは心をひとつにして、意識を高めてがんばっています!! この1年でいちばん印象的だったのは、新宿のタワレコさんでの初インストアですかね!? 自分たちをあんなに観にきてくれて感動的でした(涙)」

ちひろ「本当にいろいろな経験をさせていただいて、たくさんの方々に支えられてるんやなっていう意識が強くなったんじゃないかなと思います」

ちか「こんなんじゃまだまだあかん!!っていう思いをみんなが持つようになって、自分だけが良ければいいとかじゃなくみんながあーしたほうがいいとかこーしようかっていう意見を言い合えるようになりました」

暁音「最初は、お互いに素の自分を見せないままだったので、問題も常にありましたね。誰かが泣いて、話し合いで一応解決して、の繰り返しで、なかなかわかり合えないまま、みんなもつらかったと思います。いまでは最初に比べると、メンバー同士や清水(大充:マネージャー)さんの中でそれぞれの性格や考え方もわかってきて、気になったことは言える関係になってきたと思います。印象的だったのは、やっぱりその中での喧嘩ですね(笑)。本当に結成当初から大変で、半分に分かれたグループの真ん中にいて、泣いたこともありました(笑)」

悠香「パフォーマンスはまだまだですが、たくさんの人の前でライヴやイヴェントを行ってきて、〈皆を楽しい気持ちにさせたい!〉〈何かを感じてもらいたい!〉という気持ちから表に立つ人としての意識は変わってきました。これはメンバー皆に言えますね。思い出すことはたくさんあって困るんですが……タワレコ新宿店さんでのインストアで300人ぐらいの方たちが来てくれたことですね。来てくれた方の顔は基本覚えるようがんばるんですけど、新宿のときはさすがに頭ごちゃごちゃ(笑)! たくさん思い出ありすぎて幸せです」



かっこよすぎて鳥肌



そんなこんなで話題となった昨年9月のデビューEP『DULCE』も今年からタワレコ全店で入手可能となり、結成1周年を迎えるこのタイミングで待望のセカンドEP『AMARGA』が登場しました! 「『DULCE』はスペイン語で〈甘い〉という意味なんですが、今回は『AMARGA』で〈苦い〉……大人な恋愛です。不倫の歌とかあるので『DULCE』以上に背伸びしてます」(悠香)との言葉通り、それぞれ収録曲の異なる2タイトルいずれにもアーバンでトワイライトな魅惑のスパイスが振りかけられています。

森 絵莉加「あくまでもコンセプトは80sで、それぞれ〈Tarde=夕方〉と〈Noche=夜〉をイメージしてます。きっと一回聴いてもらえたらハマってくださるのではないかと思います!! ドライブしながら聴きたいなぁってイメージできちゃいます(笑)」

暁音「切ない曲もあって、だけど、どこか明るい曲なので、おうちにいる時でも、1人でいる時でも、ドライブ中でも、寝る前の時間にも……! どこでも、たっぷり聴いてもらえる2枚になったと思います! たくさんの素敵な人たちの素敵な力が合わさって出来上がった『AMARGA』は、すごく大切だし、本当に嬉しいです!」

悠香「いつも出来上がりには皆で感動してます。練習用に聴いていたものにさらにかっこいいアレンジが加わってたりするので、びっくりの連続で。“スカイタイム”の最初のきらきらきら~~♪とか、“不機嫌ランデブー”の最後らへんの深いリヴァーブとか! “MIDAS TOUCH” はかっこよすぎて鳥肌が立ちました! そしてやっぱり、何曲歌っても自分の声が入ってると嬉しいですね。歌声が好きって言われるのいちばん嬉しかったりします!」



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