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コラム

the HIATUS『A World Of Pandemonium』

カテゴリ : o-cha-no-ma LONG REVIEW 

掲載: 2012年01月23日 17:48

ソース: intoxicate vol.95(2011年12月10日発行)

text:久保正樹

the HIATUSが辿り着いた混沌の先の新しい世界

大混乱の世界、などと考えればよいのだろうか。the HIATUSの 3枚目のアルバムは、そんな物々しいとも思えるタイトルが付けられたものとなった。今作でもこれまで同様、いや、それ以上に音の強度が誠実さを語り、そのエネルギーが説得力をもって畳み掛けてくる。柏倉隆史の変幻自在なドラムが転がる《Deerhounds》から始まり、《The Tower and The Snake》では変拍子に乗るウエノコウジのベースと、細美武士による磨き抜かれた言葉を詰めこんだ歌が混沌を煽る。またレンタルズのジェイミー・ブレイクをフィーチャーした《Souls》や、masasucks のギターがシャープに炸裂する《Broccoli》、そして堀江博久によるストリング・アンサンブル「ソリーナ」の幻想的なサウンドとシンセによるフルート音の調べが美しい《Flyleaf》など、惜しげもなく披露される引き出しの多さには目を見張り、耳を聴き張るばかりだ。

90年代に世界中のインディーズ・シーンから同時多発的に現れ、瞬く間に行儀の良いメジャー シーンも席巻したオルタナティヴ・ロック。その熱情を正しく受け継ぎ、高度な演奏と豊かなアレンジ力でさらなる高みへと向かうthe HIATUS。前作『ANOMALY』で大胆に導入されていたブレイクビーツ、エレクトロニカ色を味付けほどに抑え、バンド本来のもつシンプルさを保ちながら無限に広がるアンサンブルの妙を感じさせるサウンドは、ミックスで参加したチャド・ブレイク、ジョン・マッケンタイアたちによってさらに磨き上げられていると言えるだろう。そんなポストロック以降の空気も吸い込んだ本作。より歌の本質に迫った細美の新たな表現への渇望に満ちあふれ、卓越したプレイヤーたちによる拓かれたサウンド、さらにその隙間にある気配も取りこみ、奏でる繊細さを併せもった作品となっている。

インタビュー

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