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【第5回】――でんぱ組.inc

連載
ZOKKON -candy floss pop suite-
公開
2011/12/14   00:00
更新
2011/12/14   00:00
ソース
bounce339号(2011年12月25日発行号)
テキスト
インタヴュー・文/ピ~ス!久保田


私たちもお寿司のレヴェルになろうって……

 

 

日本独自の文化──〈OTAKU〉の聖地として世界中からホットな視線を集める街、東京・秋葉原(通称:アキバ)。でんぱ組.incは、アキバ仕込みのアキバ育ち、アキバを拠点に活動するアイドル・グループだ。歌って踊れるゲーム少女=古川未鈴、声優ヲタの本部長=相沢梨紗、名編「アキバ妄撮」のカヴァーも飾ったモデル部部長=夢眠ねむ、2次元美少女をこよなく愛するアニメ部部長=成瀬瑛美、同人誌チェックに余念がない腐女子部長=跡部みぅ、という5人のメンバーは、それぞれソロとしても活躍する筋金入りのヲタクなのであ~る。

未鈴「個性が強すぎて最初はなかなかまとまらなくって」

みぅ「最初の頃はすごく悩んだよね」

瑛美「ファンの方から〈ひとりのほうが良かったね〉とか言われたり」

ねむ「みんなヲタクなので、自分の感情を他人にうまく伝えられないっていう、ヘンな壁……」

梨紗「〈A.T.フィールド〉がね。やってるうちに何か掴めてきて……でも、突破できるまで長かった」

そのようにしてヲタクとしての〈生の欲望〉を解放させ、見事A.T.フィールドを突破した5人は、そのヲタイズムを貫き通しながらさらなるポピュラリティーを獲得せんと突き進む。そしてここに、ファースト・アルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』を完成させた!

梨紗「スシって、フジヤマ、ゲイシャみたいに海外でも通じる言葉で」

ねむ「私たちも寿司レヴェルになろうっていう」

そんな高い野望がしたためられたアルバムのなかでも〈ZOKKON〉的な推しは……まず、SHAKAZOMBIEのTSUTCHIEがアレンジを施したハウシーなダンス・ロック“電波圏外SAYONARA”。

ねむ「プロデューサーに〈2人は踊ってて〉って笑顔で言われて、あ、ベンチ宣告?みたいな(笑)。でもまあ、それぞれ得意としている部分が発揮された曲ですね」

そして、ファンク・テイストのメロウ・ポップ“くちづけキボンヌ”。作詞はかせきさいだぁ、作曲は木暮晋也(編曲は両者)。アルバムでもひときわ異彩を放つ……お寿司で言うところのガリ。良い寿司屋はガリのこだわりにもハンパないと。

未鈴「レコーディングしている時のみんなの表情がいつもと違って」

瑛美「だから、ちょっと恥ずかしい」!

みぅ「この曲だけは、家でゆったりと過ごしながら聴ける曲なんです(笑)」

ねむ「未鈴ちゃん、この曲のこと何て言ってたっけ?」

未鈴「チルアウト……? 意味はよくわかってないんですけど(笑)」

他にも馴染みの小池雅也らによる、ステージ映えするハイで〈わっほい!〉なナンバーからキュン死しそうな乙女ソングまで、まさに特上の〈にぎり〉の如くあれやこれやと旬で新鮮なネタが並んだアルバム。こいつぁもう、ほっぺがおちても知らないぜ!

 

▼でんぱ組.incの作品を紹介。

左から、2010年のULTRA-PRISMとのスプリット・シングル“Kiss+kissでおわらない”、2011年のシングル“ピコッピクッピカッて恋してよ”(共にランティス)、“Future Diver”(MEME TOKYO/トイズファクトリー)

 

▼『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

左から、TSUTCHIEの2003年作『this is a recording』(1138)、かせきさいだぁの2011年作『サウンドバーガープラネット』(AWDR/LR2)、小池雅也の所属するULTRA-PRISMの2011年作『ULTRA-DATE!』(ランティス)