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road through biased fields by Ametsub(第5回)

連載
皿えもん
公開
2012/01/10   18:00
更新
2012/01/10   18:00
テキスト
文/Ametsub


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! 作品ごとに良作を発表し続けているにも関わらず、なかなかスポットを浴びない……そんなアーティストたちを、Ametsubが独断と偏見で紹介します!!



皿えもん_Ametsub_5



[ 今月の一枚 ] Polar M 『Northern Birds』 Nomadic Kids Republic



京都在住のアーティスト、ムラナカマスミによるソロ・プロジェクト。
ダンスや映像作品への楽曲提供、イラスト制作まで幅広い活動を行い、
現在までに数々の自主制作音源をリリース。
marihiko haraとの共作mixを発表したり、
rimaconaのアルバム『黄昏とピアノ』にギターで参加するなど、
積極的な展開を見せています。

2011年10月にホーム・ノーマルのサブ・レーベル、
ノーマディック・キッズ・リパブリックより、
待望のファースト・アルバム『Northern Birds』がリリースされました。

個人的に戦友でもあり、京都を中心にさまざまな会場で不定期に開催されている
エレクトロニカ系列のイヴェント〈night cruising〉とも縁深く、
昨年同イヴェントに自分が出演した際に魅せられた彼のライヴは、
非常に印象的で美しいフレーズが多く、安心して身を委ねられるような世界でした。
そんなライヴがそのまま今回のアルバムのなかに反映されており、
marihiko haraのピアノをフィーチャーした“Northern”や、
美しいアルペジオが鮮烈である“YSW”、
どの楽曲も抜群のバランスの良さを保っており、
単なるBGMにはなり得ない個性の強さも兼ね備えています。
昨今の国内リリースのなかでは特に心に残るものがあり、
何回もリピートしたので今回紹介しました。

近年、音楽制作環境が劇的に変化し、
特に昨年の国内リリースものはとにかくレヴェルが高くて良質で、
どれも甲乙付けがたいなか、
この作品は際立って技術的に優れているわけでもないし、
凄く新しいことをしているわけでもない。
でも〈何か良い〉〈自然と何回も聴いてしまう〉というような、
言葉で言い表せない良さがあると思います。

こういう音源こそ棚に埋もれてほしくないという強い想いです。
聴いてみてください。



▼文中に登場したアーティストの作品

 

PROFILE/Ametsub


東京を拠点に活動する電子音楽家。現在までに2枚のフル・アルバムを発表しており、2作目『The Nothings of The North』(PROGRESSIVE FOrM)は、坂本龍一の〈2009年のベスト・ディスク〉にも選出され、ドイツのミル・プラトーからもリリースされている。その他にも、リミキサーや DJ、Jimanica(d.v.d、world's end girlfriend)とのコラボ作品の発表をはじめ、多岐に渡って活動中。今後のスケジュールについてはオフィシャルサイトをご覧ください。

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