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第43回 ─ SHOEGAZER

第43回 ─ SHOEGAZER(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/12/09   18:00
ソース
『bounce』 316号(2009/11/25)
テキスト
文/岡村 詩野

II それでは実際に聴いてみよう! (その2)

SLOWDIVE
『Souvlaki』
 Creation(1993)
派手な特徴はないものの、音の美しさや構成力、内省的なメロディーというシューゲイザーたる三拍子が素晴らしく揃っていた彼ら。深いリヴァーヴをかけながらゆるやかに、静かな情熱をギター音へ託す手法は、今日のスロウコア系にも影響を与えている感じがします。


LUSH
『Spooky』
 4AD(1992)
メンバーのミキとエマが日本でもアイドル的な人気のあった4人組の2作目は、この2人が織り成す歌のハーモニーが活かされた耽美なサウンド。コクトー・ツインズのロビン・ガスリーのプロデュースも効果的でした。その後のシガー・ロスやムームのようなバンドの系譜にも連なりそうですね。

ASOBI SEKSU
『Citrus』
 Friendly Fire(2009)
2000年以降にUS各地で胎動しはじめた新世代(=ニューゲイザー)バンド。日本人シンガー=YUKIの幻想的な歌声を纏ったリリカルなサウンドは、かつてのコクトー・ツインズやラッシュあたりがお手本でしょうか。丹念に音のレイヤーを重ねながら幽玄の世界を作り出しています。

DEERHUNTER
『Microcastle』
 Kranky(2008)
US出身ながら、エコー&ザ・バニーメンやフォール好きを公言するニューゲイザー・バンドです。この最新作では何よりメランコリックな旋律を重視していますが、ドローン的奏法を聴かせるなど実験的な姿勢も。空間に音を溶け込ませるのが上手いという点はマイブラ譲りかも。

NO AGE
『Nouns』
 Sub Pop(2008)
LAのアンダーグラウンド・シーンから登場した、ギタリストとドラマーというミニマム編成のニューゲイザー2人組。ローファイ風の荒っぽいガレージ・ロックに潜む甘いメロディーが特徴です。近年に見られるマイブラ再評価が世界規模で進んだことを感じさせますね。

COALTAR OF THE DEEPERS
『The Visitors From Deep Space』
 ビクター(1994)
91年に結成された日本代表の古株。NARASAKIを中心にハードコア・パンクをミックスした独自のサウンドをいまも聴かせています。日本では他にも、同時期に登場したLuminous Orangeが活躍中だし、最近ではsgt.ら新世代のバンドもいますよ。