マンチェとデトロイトを繋ぐ黒い流星!
ムーディーマンやセオ・パリッシュに代表されるデトロイトのクリエイターを筆頭に、モーター・シティ・ドラム・アンサンブルやインヴァース・シネマティックのヨーロッパ勢、マークEらのディスコ・リエディット系など〈ビートダウン〉というキーワードで語られるアーティストは数多いが、なかでも特に新作リリースが待たれていた一人こそ、マンチェスターのトラスミーだろう。
2007年のファースト・アルバム『Working Nights』で成功を収めたトラスミーは、主宰レーベルのプライム・ナンバーズでも注目を集めているが、待望のセカンド・アルバム『In The Red』は前作と同じくファット・シティからのリリースとなった。ムーディーマンの作品やソロ作でも記憶される(ポール・)ランドルフ、アンプ・フィドラー、ピラーニャヘッドといったデトロイト勢に加え、ストーンズ・スロウの注目株デイム・ファンクも参加。いずれのトラックもくぐもった音像が蠢く黒光りハウスに仕上がっている。痺れるような傑作だ。