3日目
ヤング「最終日はどうでした?」
土田「朝イチのFACTから観ました。すごいお客さんが入ってて。海外で場数を踏んでるからか上手いんですよね、ライヴが。そこからスタジアムに移動しようとしたら暑すぎて、〈こりゃダメだ〉と引き返したんです」
澤田「僕は、最初にPUFFYを観ようと思ったら入場規制で観れなくて」
土田「〈ISLAND STAGE〉は狭いわけじゃないのによく入場規制かかりますね。トライセラトップスでも規制がかかってた」
澤田「J-Pop枠は人気ということですかね。代わりに観たミュートマスは良かったですけど、ただ暑かったなぁこの日も。外のステージにいると、〈暑い〉ということでいろんな思い出が消えていく(笑)」
土田「私がその後に観たケミスツは、男女のヴォーカルをゲストに迎えてたんですけど、2人ともステージをいっぱい使ってエネルギッシュに走り回ってて。一旦引っ込んだと思ったらホテルの浴衣を着て再登場して、お客さんにフフッと笑われてましたね。その浴衣は次に出たエンター・シカリのドラムの人もなぜか着てて。あれ、なんだったんだろう」
ジョビン「日本的なものが嬉しかったのかな(笑)」
ヤング「きっと仲がいいんでしょうね、その2バンドは」

ケミスツ
土田「そうそう。この2バンドを観て思ったのが、本人たちが本当に楽しそうにプレイしてるって大事だなあって。お客さんも釣られて盛り上がっちゃいますもん。あと、タワーではクラブ・ミュージックの棚に置かれる音楽なんだけど、ライヴ自体は完全にロックでしたね」
ヤング「お客さんはケミスツからマキシマム ザ ホルモンまでずっと〈MOUNTAIN STAGE〉で楽しんでそうな印象がありますね」
土田「そうでしょうね。私はホルモン前に移動しちゃったけど」
ヤング「その後の大きなアクトは、ヴァセリンズですかね。30代中盤くらいにとっては再結成はかなり嬉しかったんじゃないかな。1曲目でいきなり“Son Of A Gun”をやってて、〈もったいない〉と思っちゃった(笑)」
澤田「そうそう。いきなりでビックリしましたね。シューゲイザーっぽいというか、アノラックっぽいところはいまのバンドに通じるところはあると思うから、若い人にもすんなり受け入れられたんじゃないですか。ユージンは結構年取ったなぁという印象でした」

ヴァセリンズ
ヤング「遠くからしか見てないけど、フランシス・マッキーが可愛い服装だったよね。緑のワンピース」
澤田「そうでしたね。トム・トム・クラブのティナの髪型がツインテールで、かなり短いワンピースを着てて、〈これはどうなんだろう〉と思ってたんですが……」
ジョビン「〈年いくつだ、君〉みたいなね(笑)」
澤田「そうなんですけど、近くで見たらそんなに奇抜ってわけでもなかったんです(笑)。ヴァセリンズも確認したかったけど、前のほうが混みすぎて近づけなかったですね。格好は可愛かったけど、実際はどうだかわからなかった(笑)」
ヤング「その次に、俺はティーンエイジ・ファンクラブをそのまま観てた。ファーストに入ってる“Everything Flows”のイントロが流れると、それまで寝転がってたオッサンが泣きながら手を挙げてステージ前方に駆け込むシーンもあって。新しいことは特にないけどよかったなぁ~。あとユニコーンは誰か観たんですか?」
土田「観ましたよ。移動しようとしたらすごい土砂降りで。〈ユニコーンが観られない、どうしよう〉と思ってたら止んできたので移動したら、かなりお客さんが入ってて。再結成後にユニコーンを観たのは2回目なんですけど、1回観るともう1回観たくなるようなステージなんですね、あれは。相変わらず土砂降りになったり止んだりを繰り返してたのに、帰る人はほとんどいなかった」
ヤング「みんな、アリーナに降りて観るんですか?」

ユニコーン
土田「それはなかったですね。大人はスタンド、若者はアリーナで(笑)。みんな歌いながら盛り上がってましたね。もう1回観たいくらい」
澤田「僕はその頃復帰したRHYMESTERを観てました。コール&レスポンスがしっかりできてて、RHYMESTERを目的に来たファンが多い印象でしたね。MCも長くて、20周年ということで新曲もやってくれたし」
土田「私はユニコーンの後はソニック・ユースを観にメッセに戻ったんですけど、雨で濡れてたんで後ろでゆっくりしてました。そしたら子供を抱いて前に行って、子供が泣いたからそのまま戻ってくる人を見て。〈そりゃそうだよ〉って(笑)」
ジョビン「それは最初から間違えてるよね(笑)」
ヤング「ソニック・ユースはTシャツを着ている人が何人かいて、やっぱ人気あるなーと思ったりして。自分はその後ウォーを観にいったんです」
澤田「キマグレンの次に出てたんですよね(笑)」
ジョビン「いい流れだよねぇ(笑)」
ヤング「ウォーは1曲が終わらないですね。同じフレーズをずーっと繰り返してMCなのか歌なのかわからないヴォーカルが入ってて。人は少なかったですけど、ゆっくり乗ってて良かったですね。みんなニコニコしててピースフルなライヴでしたね」
澤田「ウォーだけど、ピースフル(笑)」
ヤング「そうそう(笑)。特に大きなヒット曲があるわけでもないんだけど、知ってるフレーズは何度も出てきて、ゆる~く盛り上がってましたね。ビーチのシチュエーションにマッチしてた。それからゴーゴル・ボルデロで締めでした。そっちは異常なテンションでしたね。土田さんはビヨンセを観たんですよね?」
土田「はい。もう、ニーヨからビヨンセ待ちをしていたっぽいお客さんがびっしりでしたね」
ヤング「傾向としては、〈サマソニ〉向きではないですよね」
ジョビン「でも3日目は、ビヨンセっぽい女の子結構いたよ。ギャル率高くて、〈これはビヨ狙いだな〉と(笑)」
ヤング「スタジアム周辺で勝手にやってるグッズ屋さんも、ニーヨのタオルとか売ってて、〈ソニック・ユースじゃないんだ……〉と思ったりして」
ジョビン「そういやB'zしか観ないお客さんっていうのもいたらしくて、帰りの電車で3回くらいそういう会話を聞いたよ。初めてライヴで演奏するシングルを聴くために全国から来るファンがいたらしくて、永ちゃんばりにすごいんだなと」

ビヨンセ
土田「2日目のソールド・アウトは、きっとB'z効果ですよね」
澤田「B'zは、いつものライヴだと、そうそう前で観れないはずですからね。そういうお客さんにとっては、フェスは最前で観るチャンスなんじゃないですか」
土田「ビヨンセの時にもそういうお客さんはいたかも。ステージ前のお客さんがスクリーンに何度か映し出されてたけど、ビヨンセっぽい女の子がいっぱい映ってた。ビヨンセは女の子の憧れなんだろうなー。バック・バンドのメンバーも全員女性で。目で楽しめる内容でしたね」
澤田「会場で売ってたクリスタルガイザーはビヨンセ仕様だったんですよね。あと、僕が最後に観たのがフレーミング・リップスだったんですけど、そういや彼らは1曲終わるごとに〈サンキュー〉って裏声で言ってたのが気になりましたね。あれはなんの意味があったんだろう(笑)」