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第5回 ─ 〈サマソニ〉復習編Part.1――参加者座談会! 享楽と豪雨が渦巻いた3日間

第5回 ─ 〈サマソニ〉復習編Part.1――参加者座談会! 享楽と豪雨が渦巻いた3日間(3)

連載
オレらの夏フェス 予習・復習帳 '09
公開
2009/08/12   16:00
更新
2009/08/12   18:00
テキスト
文/bounce.com編集部(座談会参加者/ダイサク・ジョビン、土田真弓、澤田大輔、ヤング係長)

2日目

ヤング「では、2日目を。早めの時間で観たものってありました?」

ジョビン「俺は早くから〈BEACH STAGE〉のオレスカバンドに行こうと思ったら、バスにすごい行列ができてて。この日も暑かったでしょ。歩くの嫌だなぁと思ったら、心が折れちゃってずっとメッセにいることに(笑)。8日はチケットが売り切れてたから人がとにかく多くてさ。結局リトル・ブーツの後半から観はじめた。その後はメッセの〈MOUNTAIN~〉〈DANCE~〉〈SONIC~〉の間を行ったり来たり、夏合宿みたいにひたすら歩いてたね。携帯で次に出るアーティストの情報を調べながら(笑)。2日目は観たいのが重なってて悩ましかったんだよね。欲を言えば、普段観る機会がないB'zも観たかった」

ヤング「そんななかで印象に残ったライヴはありましたか?」

ジョビン「AA=かな。後ろから見てると、ドメスティックなロックが好きそうなお客さんがどんどん増えていって。俺はこのバンド知らなかったから外国のバンドだと思って観てたら、数曲やってから日本語でMCが始まって〈ええー!?〉って(笑)」

土田「私もAA=からです。エフェクターの台のところに〈MASTER OF DISTORTION〉って書いてあったんですけど、その通りの音でしたね。曲が速すぎて〈Oiコール〉が追いついてなかった(笑)。マッド(THE MAD CAPSULE MARKET'S)時代からの熱狂的なファンがたくさんいる感じでした」

澤田「僕はホラーズからでした。うるさかったですねー。ノイズを出しまくってたから、前方にいたお客さんがどんどん離脱していって(笑)。シューゲイザーのセンスもあるけど、ああいう心地良い音とは対極のゴスなノイズ音で」

土田「アゲる感じじゃないですよね。ずっとけだるくて。ヴォーカルがたまに拳を突き上げても、何だかけだるそうだった(笑)」

澤田「ホラーズとメトロノミーがかぶってたから、行く前に両方の音源を聴いて、どっちに行くか考えてたんですよ。で、〈フェスで観るならメトロノミーだろう〉と思ってたんで、その後はメトロノミーに移動したんです。移動して良かったですね。レジデンツみたいなよくわからないところもあったりして」

ヤング「メンバーが、それぞれ体に1個ライトを付けて、音に合わせて〈パッパッ〉と光ったり消えたりする演出をしてた。完成されたステージってわけじゃなくて、手作り感が漂ってて楽しかったです」

ジョビン「音はスカスカだったね(笑)。コード進行とかがひねくれてて、ニューウェイヴ・リヴァイヴァルなんだろうなとは思ったけど。トム・トム・クラブも音がスカスカだった。毒があって、意識的にわかりやすいところに逃げない。ひねくれてるんだけど、リズムは格好いい、みたいな。そしてその後のコステロで涙を流すと(笑)」

ヤング「コステロは、若者入ってましたか?」

ジョビン「いっぱい入ってたよ。いろんな世代が盛り上がってた」

ヤング「自分はその後CSSに行きました。かなりバンドとして成長したなぁという印象でした。演奏も上手くなってるし、盛り上げどころのツボを押さえている。この人たちは日本がすごい好きらしくて、日本語がバンバン飛び出してました。〈ニホンダイスキー〉みたいな。ヴォーカルのラヴフォックスはいつも変な衣装を着てるんですけど、今回は、銀色のスパンコールが付いた全身タイツを着てたからずっとキラキラ光ってて(笑)。まわりの女の子からの黄色い声も飛びまくってた。そのあとはスペシャルズに移動しました。テリー・ホールのくたびれたスーツ姿が、リストラされて公園にいるオッサンみたいに見えちゃってちょっとショックでした(笑)」

ジョビン「冴えない地方公務員みたいだったよね(笑)。歌いながら途中で座ったりして」

澤田「ほかのメンバーがまた元気があるから、テリー・ホールが余計元気がなく見えましたよね」

ジョビン「俺はジャマイカのスカしか聴いてなかったから、スペシャルズっていうか2トーンを通ってなくて。でも有名だから観ておこうと(笑)。〈ンチャ、ンチャ〉やってるだけかと思ってたら、奥の深いイイ曲ばっかりで、滋味深いというか。ジャズとか、R&Bが後ろにある音楽なんだなーって、いまさら(笑)。マジ聴きしてしまった」

澤田「“Monkey Man”とか、ああいうのは老いも若きもみんな知ってる曲になってるんだなーと思いましたね。全員で盛り上がってた。オレスカバンドのTシャツを着た若い子がいたりしたのもいい光景でした」

土田「私は前のほうで観てたんで、後ろの様子はわからなかったんですけど、とにかくみんな踊りまくってましたね」

ヤング「自分はその後ルチアーノに行ったんですけど、これもクラフトワークみたいに6台くらいのスタンドの上にマックが置いてあって、そこで流れている音をルチアーノが指揮者のようにコントロールしていって。スクリーンに映し出されたヴァーチャル・ミキサーみたいなものを上げ下げすると、それぞれのスタンドで流れている音が重なる、という凝った演出でした」

澤田「ただ、そのルチアーノの手元で音がミックスされていることがお客さんに伝わってなかったんじゃないですか?」

ヤング「そうかも。しかも、ハイテクすぎたのか途中で5分くらい音が止まっちゃった。ダンス・ミュージックなのに5分無音って問題なんだけど、割とお客さんは優しくて、〈イエー〉とか叫びながら復帰を待ってましたね。パーカッションが1人いて、娯楽要素もあって楽しく踊れるステージでした」


レディ・ガガ

土田「私はスペシャルズの後、レディ・ガガに行ったんですけど、混みすぎて全然ステージが見えなかった。だから、周りの人たちが言ってる〈露出が多い〉とか〈エロい〉みたいな話を聞いて、ステージを頭のなかで妄想してました(笑)」

ヤング「モニターで観てたんですけど、セットはかなり金かかってそうでした。登場した時は、下半身に巨大な鎧みたいなものを着けていて(笑)。それが4分割してリズムに合わせて動くんですよ。まあ、その鎧みたいなもののなかに人が入ってることが後でわかるんですけど。舞台装置みたいな大掛かりな演出を観て、こりゃ盛り上がるだろうなと」

土田「存在がすごくセクシャルでロッキッシュですよね。音を抜きにした存在感で言うなら、個人的にはコートニー・ラヴを思い出しました。ショウアップされたステージを観れなかったのが悔しくて、9日はリヴェンジでビヨンセを観に行ったんですけど」