2日目前半
加藤「次は2日目か……」
土田「去年もそうでしたけど、初日にはしゃぎすぎて、2日目はみんなぐったりしてるっていう」
加藤「まさしくそうかもしれません」
荒木「2日目はすごいボロボロでした」
加藤「あっ、でもイーライさん（イーライ・“ペーパーボーイ”・リード&ザ・トゥルー・ラヴズ）は良かったですよ。で、アグロライツを観ながらピザを食べたりして。その後はずっと〈WHITE STAGE〉にいましたね。メルヴィンズからパブリック・エナミーまで、全部フルで観ましたよ。メルヴィンズは、ツイン・ドラムになって凄まじさもハンパなくなってました。ひたすら一糸乱れぬ感じで叩いてて、ギターの人の髪型以上に印象的で。でも、座ってしまったばかりにちょっと寝てしまいました。メルヴィンズで寝るなんて、最低ですよね（笑）」
土田「その後は?」
加藤「ZAZEN BOYSはさすがでしたね。この間の野音同様、ちょっと雨も降りましたけど。緊張感とユルさのバランスがたまらない。あと、バッド・ブレインズは感激でしたよねえ、H.R.はちょっと丸くなったのかな?っていう印象でしたけど」
ヤング「レゲエの曲とかをやるとスゲエ良いんだよね。演奏は素晴らしかったし」
加藤「H.R.は存在感がすべてですよね。すごい洒落た格好してましたよ。ラスタ・カラーのジャージの上にグレーのスーツを着てましたからね。クールでした」
土田「じゃあ、次のパブリック・エナミーは?」
加藤「“Don't Believe The Hype”とかビギナーにもわかりやすいクラシックの数々をやってましたよ。スタッフが開演前から宣伝という名の煽りをかましつつ、謎の新入りラッパーみたいなのが前座で2、3曲やってから、チャックD御大が登場。基本メッセージありきの人たちなので、いちいち曲紹介をやってました」
ヤング「あと、パフォーマンスがけっこうありましたよね。軍隊の人みたいなのが出てきたり」
加藤「ああ、S1Wっていうダンサー兼ラッパーって感じの2人組がいるんです」
土田「……で、加藤さんの2日目はここで終わったんでしたっけ?」
加藤「そうなんですよね。ブラッディ・ビートルーツを観たかったんですけどね」
土田「観た観た。もう息ができなくて大変だった。なぜか、かぶりつきに近いところで観てて」
加藤「覆面でした?」
土田「うん。相棒のトミーと2人で覆面で出てきて、どっちがボブなのかわからない（笑）。皮ジャンのほうか?とか、予測するしかないっていう。ダフト・パンク“One More Time”とかの大ネタも入れつつで、すごい盛り上がりましたよ。音圧で内臓が震えるんですよね。喉も内側で震えるから、ホントに息ができないの。苦しいとか思いながら、でも楽しくて最後までいました。その前の80kidzも、混みっぷりがすごかったですよ。ライトアップが逆光だったり、スモークが大量に焚かれていたりとかで、最初は誰が何をやってるのか判別できなかったんだけど、たぶんAli&君がギターでJUN君がベース。MAYUちゃんがシンセ弾いたりとか歌ったりとかの、バンド・セットでした」
加藤「ふーん、バンドだったんだ」
土田「まあ、アレンジは音源とほぼ変わらずで、だけどバンド・セットだけに猛烈にロックなステージでしたね。お客さんの反応も、ロック・バンドに対するそれというか」
ヤング「人気あるんですね」
土田「そうですね。こんなに人気あるんだ、って思いました。次にもし出るんだったら、〈RED MARQUEE〉じゃキャパがホントに足りないから、別のところでやったほうがいいですね。あとシューズがゲストで出てきました」
加藤「あっ、盟友ね」
土田「で、ブラッディ・ビートルーツの後がシューズだったんですけど、途中で帰っちゃいました。ブラッディまででほぼ燃え尽きてたので」
加藤「ディプロとかもそうだったけど、大ネタをかけることが多くなかったですか?」
土田「フェスだからですかね。去年のグランドマスター・フラッシュとかもそうでしたよね」
加藤「絶対、誰かがニルヴァーナのアレとかやったりするし……そうだ! あと、マイケル率が高かったですよね。ディプロは“Beat It”かけてたし、イーライはジャクソン5をやってたし、シェウン・クティも〈ムーンウォークに似てるけど違う〉っていうダンスをしてみたりとかしてて。あと、パブリック・エナミーも“Billie Jean”やってた」
ヤング「きっと世界的な傾向なんじゃないですかね。どこでもそうなっていそうな気がしますよね。マイケルが死んでからイヴェントとかに行くと、DJが必ず何かしらをかけてたり。清志郎もそうですよね」
荒木「忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラ NICE MIDDLE with New Blue Day Horns、全部観ましたよ」
ヤング「俺はヒロトとマーシーが出てるところまで観ました」
土田「誰が出たんでしたっけ?」
荒木「いちばん最初に泉谷しげるが出て、その次にウィルコ・ジョンソンやブッカー・Tがいっしょにやって。それから……順番は忘れましたけど、YO-KINGと浜崎貴司、LeyonaとCharaがいっしょにやったりして、あとUAとトータス松本と、Charも出てました。最後はチャボさんが出てみんなで“雨上がりの夜空に”を歌って、で、映像といっしょに“Oh! RADIO”が流れて終わり、みたいな感じでしたけど。みんなが知ってる曲メインの選曲だったので、そんなに清志郎のことを知らないっていう人も、見応えのあるステージだったんじゃなかなあ。映像の出し方とかも泣かせる感じで、周りはわりと（涙を）ポロポロしてたと思う。私も泣いちゃいましたし。ホントにあったかくて良いステージでした」
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
