
前作『WAO!!』から1年半という長い期間に、オレスカバンドの6人は何を感じて何を得たのか──その成長と挑戦のすべてを詰め込んだ、パワー漲る2アイテムが登場した。まずはこの夏、全米46都市を巡る世界最大級の移動型ロック・フェス〈ワープト・ツアー〉にフル参戦した時のドキュメンタリーDVD「46 ORESKABAND -WARPED TOUR 2008-」からチェックしてみよう。
「〈2か月も行ってたのに映像はたった80分?〉とか思うんですけど(笑)。凄く良いムードで、だから良い音楽が生まれるんやなと思いました。その空気が伝わってほしいな~」(いかす、ギター/ヴォーカル)。
演奏シーンはもちろん、ライヴ前の日課であるフライヤー配り、車中での真剣なミーティング、バンド仲間との交流など、ハードな日々のなかでのメンバーの喜怒哀楽にスポットを当てた編集がいい。初日と最終日とではまるで違う、6人の表情の変化を追っていくだけでも感動的だ。
「〈全部見せてしまおう〉というコンセプトで作ったんですよ。泣いてるのも、怒ってるのも、ケンカしてるのも……全部入れてまえ!って。恥ずかしかったけど、それが良かったかな」(たえさん、ドラムス)。
そして次なるステップへの第一歩が、久しぶりの音源となるミニ・アルバム『What a Wonderful World vol.1』。来年2月にリリース予定の〈vol.2〉と対になるこの作品は、最近のオレスカバンドが追求している〈ストレートなメッセージとダイナミックなサウンド〉をそのまま形にした、自信作ばかりを収めた6曲入りだ。
「ホーン隊のテーマは〈FUN〉で、どうやったら〈FUN〉になるだろう?って考えたのは良い経験になりました。強い意志の出たアルバムになってると思います」(もりこ、サックス)。
「すべてがストレート。たえさんの書く歌詞も凄くわかりやすくなったから、アレンジも絶対にストレートなものしようと思いました。歌詞も曲も自然と身体に入ってくるんです」(とみ、ベース)。
キーボードを入れた分厚いサウンドとコーラスで高速ビートに乗る“24カラット”、ファンキーなギターが先導するポップな“Going Away”、切ないメロディーを持つメロコア調の“君ストライプ”、ミッドテンポの明るいスカ“Oh! My Honey”、ソウル・ミュージックの香り高いゴキゲンな“MUSIC DRIVER”、そして問答無用の楽しいロックンロール“Super☆Duper”──多彩な曲調と前作よりも遙かに骨太になった歌声、〈自分にとって本当に大切なものは?〉と問い掛ける歌詞のバランスは最強だ。
「アメリカで言葉が通じない人たちに対して演奏した時、音楽が持ってる力を改めて感じたんですよね。だから音に気持ちを込めたいなと。たえさんが書いた歌詞の感情を、より表現できるようなホーンにしたいと思って」(リーダー、トロンボーン)。
「〈聴く人にちゃんと伝えたい〉と、初めて感じたんです。いままでは受け取り方は聴き手の自由だと思ってたんですけど、みんなが違うことを感じてたら、オレスカバンドがどんなバンドかわからへん。〈ブレへんような歌詞を書くぜ!〉と思って書きました」(たえさん)。
「私もこれまでは、〈雰囲気が伝わればいいや〉っていう歌い方をしてたんですけど、いまは〈ホンマに伝わってほしい!〉って心の底から思うようになってきていて。ライヴで歌ってても鳥肌が立つし、それをお客さんがキラキラした目で見ていると、〈あ、伝わってるな〉と思う。いまは伝わることが嬉しくて、感動してます」(いかす)。
「ちなみにジャケットは、お風呂入ってない時の写真(笑)。〈ワープト〉のライヴ直後にパッと撮ったやつなんですけど、この写真に物凄いエネルギーを感じたんですよね。音楽が周りに溢れていて、友達もできて、そういうエネルギーが新曲にとても合ってると思います」(サキ、トランペット)。
11月に東名阪で行うワンマン・ライヴから、いよいよオレスカバンドは日本での活動を本格化させる。飛躍の時はもうすぐそこだ!
▼オレスカバンドの作品を紹介。