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第155回 ─ 笑顔でサヨナラ! SUPER BUTTER DOGのファンク道を復習

SUPER BUTTER DOGをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ その1

連載
360°
公開
2008/09/18   01:00
更新
2008/09/18   17:48
ソース
『bounce』 302号(2008/8/25)
テキスト
文/加藤 直子、宮内 健

FUNKADELIC
『Standing On The Verge Of Getting It On』
 Westbound(1974)
ルーツとして真っ先に挙がるのはPファンクやスライ&ザ・ファミリー・ストーン、アイズレー・ブラザーズ……だが、ここではPのなかからロック度濃厚なこちらをセレクト。ディストーション・ギターがバリバリの“Alice In My Fantasies”をライヴでカヴァーしたこともあった。
(加藤)

RHYMESTER
『ウワサの伴奏』
 キューン(2003)
SBD主催の〈FUNKY大百科〉にMummy-Dが参加するなど、近い関係にあったファンク義兄弟が初コラボした“This Y'all, That Y'all”を収録。とにかくバンドの懐深さが出た名演で、ここでの手応えをきっかけに永積以外のメンバーによるBUTTER DOG MARKETが始動した(?)。
(宮内)

S-Ken & Hot Bomboms
『パー・プー・ビー』
 Polydor/ユニバーサル(1987)
初期の作品をプロデュースしたS-Ken率いるHot Bombomsは、ニューオーリンズからラテンまでをゴッタ煮にしたサウンドに、東京ならではの生活感を注いだ音楽を奏でていて、確かにSBDと共通する匂いが。87年発表の本作に“Super Butterfly”という曲が収録されているのは、何かの因果か?
(宮内)


ウルフルズ
『バンザイ』
 EMI Music Japan(1996)
SBDと共鳴する同時代バンドといえば……SCOOBIE DOもそうだけど、やっぱりこっち。ファンクやソウルの風味を暑苦しく練り込んだガッツなロック、そして少々ダサめなことも本気でやっちゃうカッコ良さ、笑わせて、泣かせてもくれる――その様はまさしく! でしょ。
(加藤)

高野寛
『確かな光』
 ファイブスターズ(2004)
最後のオリジナル・アルバムとなった『grooblue』をプロデュースした人。“サヨナラCOLOR”は、当初これまでとカラーが違うためにバンドでやるかどうか迷った、とかつて永積が発言していたが、それをプロデューサーとして後押しした功績は大きい。ちなみに本作にはハナレグミと沢田周一が参加。
(宮内)

CURTIS MAYFIELD
『Curtis』
 Rhino(1970)
ファンクとは一見相容れない、繊細な歌唱と内省的な歌詞を見事に表現する彼は、永積のフェイヴァリット。そういえば“Move On Up”と“日々GO GO”って、テーマが共通してるかも? ハナレグミのライヴでもインプレッションズ時代の“People Get Ready”をカヴァー。
(宮内)

ORANGE RANGE
『PANIC FANCY』
 ソニー(2008)
SBDの遺伝子を受け継ぐバンドって、意外にいないのが現状だったりするのだが、音ではなくそのエキセントリックなネーミング・センスを恐らく無意識的に継承する奴らがここに。“コミュニケーション・ブレイクダンス”vs“ロコローション”、“マッケンLO”vs“イカSU-MMER”……別に対決じゃないけど。
(加藤)