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第396回 ─ eastern you20th!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/08/21   23:00
ソース
『bounce』 301号(2008/7/25)
テキスト
文/鬼頭 隆生

20周年を経てもこんな↓に仲の良い3人の、轟音まみれな歴史と刺激的な交友関係の賜物が凄い!


  札幌で結成され、今年で20周年を迎えたエモーショナル日本語ロックの雄、eastern youthの関連作品が3枚同時に登場した。まずは年代ごとのベスト盤『1996-2001』『2001-2006』。ハードコア・パンクの激情を内包した轟音、和風情緒を湛えた旋律、蒼い詩情と哀愁を滲ませた文学調の詞が、聴き手の胸ぐらを掴む勢いで猛然と迫ってくる! 心揺さぶられる音楽を求める人は必携の、彼らの真骨頂を感じられる2枚だ。続いて、94年にスタートし、eastern youthが観たいアーティストを一組呼んで対バンするイヴェント、〈極東最前線〉の歴代出演者が新曲/未収録曲を提供した2枚組の豪華コンピ『極東最前線2』。これがまた刺激的な面々で、ZAZEN BOYSやfOUL、そしてカーシヴといった海外勢も含む盟友のほか、ヴィブラフォンを揺らめかせるtoe、虚ろなピアノに慄然とする54-71、フリーキーなライヴ音源を寄せたゆらゆら帝国が強烈だ。さらにeastern youthとの濃密な共演を聴かせる小谷美紗子、トランシーな音で狂わせるにせんねんもんだい、モンドなジャズを奏でるSAKEROCKなど世代もさまざまな顔ぶれが参加。極東が誇る個性的なアーティストが揃う本作は、〈極東最前線〉の名に偽りなし!