
コーネリアス
『69/96』 トラットリア(1995)
何でもおもしろがれるセンスとそれらをポップに昇華させるセンスが、ベックと共通している彼。このソロ2作目ではサンプリング/ノイズを多用し、彼流のヘヴィメタまでも披露。初回盤のジャケが、『Mellow Gold』の裏ジャケのパロディーであった点も同時代性を感じます。
(久保)
SIA
『Some People Have Real Problems』 Monkey Puzzle/Hear Music(2008)
ゼロ7作品への参加で知られる彼女の3作目。ハスキーな歌声としっとりとしたメロディーが美しく、〈新しい感性が注入されたルーツ音楽〉のような香りが漂う。そんな音作りに共感したのか、ベックも2曲でヴォーカル参加し、ご満悦な歌いっぷりを披露!
(久保)
『ソウル・オブ・マン』
日活(2003)
マーティン・スコセッシ総指揮で製作された〈THE BLUES Movie Project〉のなかでももっとも人気の高い、ヴィム・ヴェンダース監督作のDVD。本編においてベックは、陰鬱な物悲しさが魅力の戦前ブルースマン、スキップ・ジェイムズをカヴァー。デビュー当初から変わらない彼のブルース愛が滲み出ています。
(久保)

BOREDOMS
『POP TATARI』 ワーナー(1993)
関西のノイズ・シーンに世界が注目しはじめた頃に発表された初期の代表作。ベック・サウンドに見られるローファイ/スカムな感覚には、あきらかにこの音の祟り(影響)が! ちなみに『Midnite Vultures』のアートワークはEYEによるもの。
(久保)
BEASTIE BOYS
『Paul's Boutique』 Capitol(1989)
本作を制作するにあたって一時的だがベックの地元であるLAに居を構え、ロックとヒップホップの融合!という大事件を低姿勢で高次元に実現させたビースティ・ボーイズ。彼らなくして、『Mellow Gold』は生まれなかったのでは?
(久保)
CAETANO VELOSO
『Caetano Veloso』 Philips(1967)
ベックのトロピカリズモ嗜好の手本となったカエターノ・ヴェローゾ。欧米のフラワー・ムーヴメントを独自に解釈し、ボサノヴァとの融合を果たしたストレンジなサイケデリック感は、『Mutations』以降のベック作品に常にチラついている。
(久保)
MACY GRAY
『The Trouble With Being Myself』 Epic(2003)
ベックの書く曲って黒いんじゃん!と驚かせてくれるのが、本作に収録されたミッド・ファンク“It Ain't The Money”。本当はファロア・モンチのパートもベックがラップする予定だったらしいけど、そうなるとずいぶん雰囲気が違ったでしょうね。
(山西)

BECK & AL HANSEN
『プレイング・ウィズ・マッチズ』 シンコーミュージック(1999)
60年代にNYで立ち上がった前衛アート集団、フルクサス。本書は、その一員だったベックの祖父=アルと共に製作された作品集だ。ハプニング要素たっぷりのアンチだらけな芸術行為は、ナンセンスがいっぱい。アートワークにかけるベックのこだわりは、お祖父ちゃん譲りなんですね。
(久保)
GOTYE
『Like Drowing Blood』 Lucky Number(2008)
ミーカやサム・スパローなどチルドレンで溢れ返る昨今の音楽シーンですが、このゴティエ君こそもっともベックに近い存在といえるのではないでしょうか。雑多な音楽要素を楽しく切り貼りする点とか、カワイイ王子様フェイスとか……ね?
(山西)