2日目(~18:00頃まで)
桑原 それでは二日目に移りたいのですが、男性陣はみなさんキョンキョンを目指したんですよね。
澤田 目指しましたね。
北野 自分は、みなさんがキョンキョンを目指すっていうので、逆にMEGに行こうかなあって。
桑原 そうですか。で、キョンキョンのところに辿り着いたと思うと、入場規制が……。
澤田 そう。まあ頑張れば入れた気もするんですが、それもヤダなあと思って、諦めちゃったんですよね。そうしたら、桑原さんがゴーッて走っていって(笑)。
土田 諦めた人と諦めなかった人で差が出た(笑)。
澤田 その後、速報レポが上がって、俺も頑張ればよかったのかと思って(笑)。
桑原 俺は「キョンキョンが観れなかったら、このフェスが終わる」みたいな気持ちでしたからね(笑)。まあ、観た感想を言うと、90年代以降の彼女は〈アーティスト・キョンキョン〉として評価されてきた気がするけど、今回は〈アイドル・キョンキョン〉としてのキャラでみんな観に来てたんだろうなあっていう。ラストの“なんてったってアイドル”では、もう花火が上がってもいいぐらいに大盛り上がりで。下手すると、Perfumeのお母さんぐらいの世代ですよね? キョンキョンって。
澤田 そうですよね。なのに“なんてったってアイドル”ができるのはすごいですよね。さすが〈錆びない女〉(笑)。
桑原 それを、一般公募で集まった21人のホーン隊を従えてやるわけですよ。11歳の女の子から56歳のオッサンまでいる感じで。俺、初めてですよ。ステージに向かって手を振ったの(笑)。キョンキョ~ンって(笑)。
土田 何やってんですか(笑)。でも、みんなそうなっちゃうぐらいの楽しいステージだったんですね。
ジョビン 俺は入れなくて、LOW IQを観に〈BEACH STAGE〉の方に行ったのね。そしたら、キョンキョンが終わって〈ISLAND STAGE〉から出てきたお客さんが「ヘーイ♪ ヘーイ♪」とか言ってて(笑)。それで、凄い良かったんだろうなあってのは伝わってきた。
桑原 土田さんは、ティン・ティンズからスタート?
土田 そうですね。ケイティが可愛かったです。男性はドラマーだから動けないんだけど、彼女は大太鼓みたいなのを叩いてみたりとか、ギターを弾いてみたりとか。いろいろ動き回っていて見た目的な楽しさもあって。
桑原 で、北野くんはMEGでスタートですね。
北野 前日にPerfumeを観たし、中田ヤスタカ繋がりでいっておこうかなと。彼女のライヴは初体験だったんですけど、まぁ可愛かったですねぇ(笑)。ロボット・ガールだとか着ぐるみのネコと踊ってたのが、もう何とも……(笑)。音楽だけじゃなくて、ヴィジュアルの魅力がとにかく素晴らしかったです。
桑原 では、午後のアクトで印象的だった人をそれぞれ挙げてもらいましょうか。
澤田 クリスタル・キャッスルズが良かったですね。音の鳴りがすごいビコビコしてて。全出演アクトのなかで、いちばんビコビコしてたんじゃないでしょうか(笑)。音的にはパンクじゃないんだけど、ひたすらパンクを感じさせるステージングで新鮮でした。最後にハウリングで終わる、みたいな。あと、二階堂和美も良かった。彼女、異様なテンションでしたけど、何だったんですかね。
桑原 ステージに出てきて、謎の大笑いを続けてたり。バンド・メンバーもオーディエンスも理由がわかんなくて、皆、大丈夫か?って目で眺めてましたね。でも、〈Riverside Gerden〉のロケーションで聴く二階堂さんは、新鮮で良かったなぁ。ステージの後ろに海が広がってて、スロウ系がすごく映えた。あと僕が良かったのは、ミュートマス。
ジョビン 良かったよね~。初めて聴いたんだけど、懐の深いバンドだなぁと思ったよ。ジャムっぽくもあり、ジャズにもプログレにもパンクにもファンクにもなる。こいつらタダもんじゃねえな、と。パフォーマンスもすごかったよね。メンバーが意味もなくオルガンの上で三点倒立やったりさ(笑)。タムを持ち出して、舞台のあちこちでバンバン叩いてたり。あといきなり楽器交代したり、無駄な動きが多かった(笑)。ニューオーリンズという街でライヴを繰り返して、ライヴ・バンドとして磨きをかけてきたんだろうな。お客さんには彼らのことを知らない人も多かったと思うんだけど、最後は大満足だったよな。
桑原 まったくそんな内容でした。轟音鳴らしながら終始疾走する姿に、拍手を送りましたね。
北野 僕は、〈MARINE STAGE〉で観た311が良かったですね。残念ながら曇り空だったんですけど、それでも野外で聴くのが凄く気持ち良くって。外国人のお客さんが多くって、水着で観ている女性もいたりして、のんびりしながら騒げる感じというか。ちっちゃいドラム・キットでメンバー全員がセッションみたいなことをやったりもしていて、楽しめました。
土田 私はビフィー・クライロが良かったですね。後期のザ・フーみたいな、ド派手でヘヴィーなロックで、コーラスワークもバッチリで。見た目は3人とも上半身裸で、ヤバいぐらいローライズの赤いパンツを履いてたんですけど(笑)。プログレッシヴだったり、グランジっぽいサウンドも交えつつ、とにかく熱いロックを聴かせてくれてカッコ良かった。これは、今回の収穫ですね。
ジョビン 俺がおもしろかったのは、ミュートマスとクリスタル・キャッスルズ。あと、ジャンキーXL。昼間からこんなバキバキに盛り上げていいの?みたいな。〈MOUNTAIN STAGE〉が健康的な明るいダンス・フロアと化してて、みんな踊り狂ってたね。そのあとは〈WORLD HAPPINESS〉を観るために、会場を出ました。
桑原 そして、夕方に入るとジャスティス。
澤田 ステージングはやっぱりダフト・パンク的なものがあるんだけど、そうじゃないところで見せてるというか。マーシャル・アンプが積んであったり、十字架がピカーンって光ったりっていう、ロック的なカッコ良さで盛り上げる感じもあって。音自体はわりとストイックな感じがしましたね。
▼文中に登場した出演アーティストの作品