ご清聴~! 人気グループのDJ2人が、個性的なソロ・アルバムを同時期にドロップだ!!
いまや〈新世代〉と呼ぶのも躊躇してしまうほどダンスホール・シーンの中核を担う重要グループにまで躍進し、ソロでも活動するKEN-Uも籍を置くENT DEAL LEAGUE。そんな彼らから今夏はMICKY RICHのセカンド・アルバム『SOUL SURVIVOR』と、DOMINO-KATのファースト・アルバム『DOUBLE SIX』が届けられた。
まず、MICKY RICHは2007年作『GOOD MORNING』にも増して多彩なトピックを用い、よりパーソナルな部分を具体的に表現している様が印象的。男の性を全開に吐露する“よそ見! 注意!”や“グリグリ”など、お得意の女子ネタをはじめ、愛する人への特別な思いを綴った“FOREVER”から、ハンパな輩に向けた辛辣ソング“SOUL SURVIVOR”、生死に向き合った“生きて”といった楽曲まで、彼の心情/日常を深く読み取れる内容となっている。鍛え抜かれた重量感のある歌声もよく響き、味わい深い。
一方、DOMINO-KATは彼のキメ言葉がそのまま曲名になった“御清聴”にて〈俺は常にHotですから〉と歌っているとおり、とにかくアツイ! 一言一句に熱がこもった声の出し方にしても、猪突猛進的な歌い回しにしても、自身の言葉を届けることへの執着がヒシヒシと伝わってきて、必ずや胸打たれることだろう。最新ダンスホールを常に意識する彼ならではというべきAKANEとの新世代共演曲“FLOWER”も、エナジー満タンで間違いなく今夏の重要チューンとなるはずだ。なお、EDLは各々のソロを重要視するスタンスと筆者は認識しているが、その証にKEN-Uは2作ともガッチリ参加している。ソロで磨かれた各々のスキル/感性がグループとしての活動にフィードバックされていく……そんな相乗効果的な進化は彼ら特有のおもしろさであり、日本のダンスホールの新しい形であると思う。