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第361回 ─ KOBUSHI POWA!!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/06/12   21:00
ソース
『bounce』 299号(2008/5/25)
テキスト
文/岡部 徳枝

Kon“MPC”Kenと強者アーティストの〈拳〉がぶつかり合ったガチンコ・レゲエ!


  〈コンピレーション〉という形態は、仕掛け人(プロデューサーやレーベル主宰者)の〈何を伝えたいのか〉という意思が骨太であればあるほど、そしてそれが聴き手に伝われば伝わるほど作品の重みが増し、おもしろさが増すように思う。感覚的に言えば、その人の体温を感じるかどうかってこと。その点、ここで紹介する『拳POWA』はどこを取っても仕掛け人の熱を体感することができる。〈コレが俺の発信するレゲエだ!〉〈コレでも喰らえ!〉といった感じ。それもそのはず、今回指揮を執ったのはあのKon“MPC”Kenである。レゲエ・シーンの屋台骨を支えるHome GrownのMPC奏者であり、RYO the SKYWALKERなどの楽曲を手掛けるプロデューサー。その彼が自身のレーベル/プロダクション、拳POWAより初のソロ・ワーク集として発信したのが同作なのだ。

ここに集結したのはPUSHIM、H-MAN、MIGHTY JAM ROCKら全18組で、他にもFIRE BALLからTRUTHFULやSUPER CRISSの各ソロ曲やMIGHTY CROWNのSAMI-TがDJとして参加した楽曲、NANJAMANとBOXER KIDという硬派なコンビネーションなど、ゾクゾクするほど貴重なチューンが満載されている。そう、ただのコンピじゃないってことはメンツを見てもあきらかだろう。アーティスト個々とKon Kenの強固な信頼関係あってこそ生まれた賜物。双方の体温がぶつかり合って沸点を描いた最高にアツいレゲエがココにある。

▼『拳POWA』に参加したアーティストの関連作品を紹介。