結婚前に思いっきりハジケるわよ!!

ティンバランド・プロデュースの先行シングル“Outta My Head(Ay Ya Ya)”こそやや誤射・乱射気味だった妹シンプソンとはいえ、ニュー・アルバム『Bittersweet World』の出来はバッチリ。そのティンバとネプチューンズのチャド・ヒューゴ、ケナというプロデューサー陣の顔ぶれからはアーバン寄りの音を予想しそうだが、前述のシングルを除いたアルバムの全体像はバンドを率いたギター・ポップ。そこにカリッとしたビートを絡めて、〈いかにも!〉といったイマ風サウンドに仕上げている。これは好みの問題かもしれないが、随所に見られるグウェン・ステファニー風のオッドなしゃくり上げヴォーカルよりも、むしろ素直に歌った“Boys”“What I've Become”のようなポップソングのほうが彼女の声質には合っていると思うのだが。プレイン・ホワイトT'sのトム・ヒゲッソが参加した“Little Miss Obsessive”でのロッキンな歌いっぷりもナイス。日本盤ボートラの“Invisible”では、姉のジェシカを思わせる正統派としての一面も覗かせる。あとは口パク事件や整形疑惑といったネガティヴな要因を、いかにして婚約~おめでたモードにすり替えるか……ってのがポイントなんですよね。