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第145回 ─ 高品質なプロデュース・ワークを量産するBUZZER BEATSの履歴書

連載
360°
公開
2008/05/29   22:00
ソース
『bounce』 299号(2008/5/25)
テキスト
文/一ノ木 裕之

BUZZER BEATSとは何か?


  ZEEBRAやPUSHIM、m-floなどお馴染みのメジャー・アクトや長いキャリアを持つアーティストから、今後が大いに期待されるSHINGO☆西成や〈CONCRETE GREEN〉周辺のインディー勢まで、幅広くプロデュース/リミックス・ワーク、ミックス仕事を手掛け、日本語ラップのフィールドではいまや注目のチームともいうべき存在となったBUZZER BEATS(以下BB)。CHIVA、SHIMI、SHIGEの3人のメンバーによるチームの結成は、2003年にSHIGEがオーナガナイズしたイヴェントでの出会いに始まるという。クレジットの上では常にチームの名義にこそなっているものの、3人それぞれが個々でトラックメイクをこなすのがこのチームのチームたる強みだ。日頃からクラブなどでUSのヒップホップを吸収し、楽器を操るメンバーも含むとあって、チームの作風にもサンプリング・オリエンテッドなトラックからシンセを多用したビートまで、USの流れも意識したトラックメイクとエンジニア的な視点が反映されている。現場でのアーティストとの交流をもとに人から人へと渡っていくこととなった彼らのトラックは、多くの信頼を勝ち取って、昨年来そのワークスが日に日に急増しているというわけだ。

 彼らのそうした歩みの一端は、昨年アンダーグラウンドのラッパーたちとの未発表音源が中心となったプレ・ファースト・アルバムともいうべきDJ CELORYミックスの『BUZZER BEATER Vol. 1 MIX UP BY DJ CELORY』からも窺えることだろう。そんなBBがついに今回オフィシャル・ファースト・アルバム『Just The Beginning』のリリースへと動いた。そのリリースを機に、このページでは彼らの過去のプロデュース・ワークを探ってみよう。そのひとつひとつからも、3人のプロデュース・チームとしてのカラーが見えてくるはずだ。

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