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第145回 ─ 高品質なプロデュース・ワークを量産するBUZZER BEATSの履歴書

恐るべきBB弾の雨あられを喰らえ!! その2

連載
360°
公開
2008/05/29   22:00
ソース
『bounce』 299号(2008/5/25)
テキスト
文/一ノ木 裕之、出嶌 孝次

PUSHIM 『HEY BOY』 NeOSITE/キューン(2007)
絡み合うパーカッシヴなタッチで煌びやかなダンスホールを演出したこのシングルで、ジャパレゲ界の歌姫と初コラボ。要所を下支えする前のめりなシンセのウネリも効果的で、〈HEY!〉の合いの手と共にヴォーカルの勢いを引き立たせる楽曲だ。
(一ノ木)

TKC 『百姓一揆』 YUKICHI/KSR(2007)
SD JUNKSTAにあって特異な個性を放つMCのソロ作では、彼がクルーのNORIKIYOとマイクを交える“U2”をBBがプロデュース。壮麗なウワモノと細かいリズムの組み合わせでアルバム中でもひときわスケールの大きなトラックメイクを見せ、メジャー・サイズの手腕を発揮した。
(一ノ木)

May J. 『Dear...』 NeOSITE/キューン(2007)
本シングルにカップリング収録された“HERE WE GO(BUZZER BEATS Remix)”は、ICE DOWNの手腕が光った原曲にネプの換骨奪胎ビートで疾走感を加えた、良い意味でインスタントな好リミックス。TARO SOULとの相性の良さはここでも証明されている。
(出嶌)

YA-KYIM 『Can YA Feel?』 ビクター(2007)
BBは都合3曲を制作。SIMONをフィーチャーした“On & On”ではSONOMIが書いたメロも相まってKREVAの自作曲にも通じる哀愁ビーツを繰り出し、TARO SOULの歌を声ネタのように用いた“Hey Sister!(Tell Me What YA Thinkin')”では泥臭いノリでソウルフルに燃える。どっちも良い。
(出嶌)

ZEEBRA 『WORLD of MUSIC』 UBG/ポニーキャニオン(2007)
加藤ミリヤがフックを歌った先行シングル“My People”をプロデュース。全体的にサンプリング路線が目立つアルバム中にあって、BBはエムトゥーメイ“Everything Good To Me”を温かみたっぷりに使用し、独特のライトな雰囲気を湛えた王道のBB節に仕上げている。
(出嶌)

ICE DYNASTY 『DYNASTY -23 ANTHEM-』 TOKYO I.C.E(2007)
東京各地から集まったメンツのファースト・アルバムでBBが手掛けた曲は2つ。クルー曲の“HOT BOX”は歯切れの良いビートで開放的なフックへと至る流麗さがいい。OHLI-DAYのソロ曲“SKY THE LIMIT(FUCKそのジェラシー)”では少ない音数で楽曲の内省的なカラーに加担している。
(一ノ木)

RYUZO 『DOCUMENT』 R-RATED(2007)
話題のANARCHYを輩出したR-RATEDを率いるボスの、キャリア初のフル作にて自画像ともいうべき“The MC”をプロデュース。気骨をフルに滲ませた主役のラップを、引きずるようなギターのサンプリングが印象的なトラックでコワモテに仕立てている。
(一ノ木)

TARO SOUL 『BIG SOUL』 NeOSITE/キューン(2008)
ダメレコを経て当ミニ・アルバムでメジャー・デビューとなった客演キングを“Take You There”でプロデュース。大柄な鳴りのビートをバックに繰り広げられる好いたらしいトラックメイクは、客演したMay J.のキュートなヴォーカルと共にお約束の鉄板ぶりだ。
(一ノ木)

LITTLE 『"YES" rhyme-dentity』 BMG JAPAN(2008)
別掲の童子-T作品でもLITTLEと絡んだBBは、アルバムの終幕を飾る2曲“足跡の中を旅してる”“Yes!! ~a raison d'tre~”を制作。シンプルな前者も良いが、スタイリスティックス“Love At First Sight”をドラマティックに使った後者にBBらしさが滲むか。
(出嶌)