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第333回 ─ FUNKY FUSION

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/04/24   23:00
ソース
『bounce』 297号(2008/3/25)
テキスト
文/桑原 シロー

フュージョンの黄金期を華やかに飾ったヴィンテージなアルバムたちが、いま色鮮やかに甦る!

 デヴィッドT・ウォーカーのオード時代の諸作にラリー・カールトンやジャコ・パストリアスのライヴ盤など、フュージョン黄金期に吹き込まれたブツが昨年いろいろとリイシュー/リリースされて話題を呼んだ。当時の最先端なサウンドが吹き込まれた70年代後半あたりのフュージョン・アルバムが、いまふたたび新鮮な感触を与えてくれるってことに、若い世代もリアルタイム派も気付きはじめたのかもしれない。

 そして〈まだこんなのもあるぜ〉というメッセージと共に始まったリイシュー企画が、ADLIB誌とタワレコの監修による〈SUPER PREMIUM/Vintage in 70's〉。今回10枚がラインナップされたシリーズ第1弾のテーマは〈ファンキー・フュージョン〉。大半が世界初CD化作で、ブラコンやディスコの括りで語っても全然違和感も問題もない、とにかくオープンな音楽性を誇るアルバムが並んでいる。ラルフ・マクドナルドなどのトップ・プレイヤーが集結したライターズの『The Writers』、スティーヴィー・ワンダーも参加したロドニー・フランクリンの『In The Center』、デヴィTのギターがファンキーすぎるロニー・フォスターの『Love Satellite』など、高度なプレイが次々に繰り出される超絶盤でありながらも、最高にダンサブルな作品ばかり。また90年代のクラブ・シーンで人気を博したボビー・ハンフリーのメロウ盤『Freestyle』やファンク・ファンにも愛され続けてきたチョコレート・ジャム・カンパニーの初作『The Spread Of The Future』など、プレミアムでヴィンテージなブツ揃い。ほかにも初日本盤化となるジョージ・デュークやワー・ワー・ワトソンのアルバムもあって、巷はまた大いに盛り上がりそうだね。

▼4月2日にリリースされた〈Vintage in 70's〉シリーズの一部を紹介。