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第25回 ─ CLICK HOUSE

第25回 ─ CLICK HOUSE(4)

連載
Di(s)ctionary
公開
2008/04/17   00:00
更新
2008/04/17   17:42
ソース
『bounce』 297号(2008/3/25)
テキスト
文/石田 靖博

III 現在の音楽シーンに見るクリック・ハウスの影響

 実戦を経て、クリック・ハウスの何たるかを身体で感じただろう。では、最後にその影響と広がりを見ていくぞ! 基本的には4つ打ちのフォーマットを踏襲しているため、いわゆる王道ハウスの辺境支店として位置付けられることもあるクリック・ハウスだが、先述のようにハウス・レジェンドのフランソワKが回春したり(盟友のジョー・クラウゼルもハマる途中)、プログレ・ハウスの帝王たるサーシャがミックスCD『Fundacion NYC』においてクリック寄りの選曲で押し切っていたり、ディープ・ハウス~ディスコ・ダブなどの先鋭的なスタイルを紹介し続けた日本ハウス界の裏トレンド・セッター=ムードマンが水先案内人だったりする(大傑作ミックス〈ADULT ORIENTED CLICK〉がテイ・トウワのレーベルから出たのも重要)わけで……極端に言えば、4つ打ちのフォーマットを突き詰めるとクリック・ハウスの底なし沼に行き着くのだ。

それ以外にも世の異端児にはクリック・ハウスと交わる者も多く、ダブ・ステップの極北=スカル・ディスコの連中はヴィラロボスにリミックスを依頼。また、ゆらゆら帝国はライヴ開演前にヴィラロボスの〈生首〉を流したり、『空洞です』にてクリック的なスカスカ&ミニマル感を披露……いまや〈クリック・ハウス〉は求道者の到達する領域でもあるのである!
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