センスと人脈が結実した豪華なリーダー作!!

かの「アメリカン・アイドル」で審査員を務めたり、MTVのダンス番組を製作するなど、お茶の間でもお馴染みのランディ・ジャクソン。昨年はボーイズIIメンと契約するなど、コンコードや新生スタックスで腕を振るう彼は、この15年ほどでメジャー・レーベルの要職を歴任している〈背広組〉の大物である。ただ、70年代からベーシストとしてサンタナやジャーニー、ボブ・ディラン、マライア・キャリーらと仕事をしてきた彼が、現在もベーシスト/プロデューサー業を継続して、音楽の現場に携わり続けていることを忘れちゃいけない。今回の初リーダー作『Randy Jackson's Music Club』は、そんなミュージシャン気質に裏付けられた音楽への愛とビジネス的観点が両立されていて興味深い。〈アメアイ〉の審査員仲間であるポーラ・アブドゥルに12年ぶり(!)の新曲を披露させたり、みずから復活作を仕掛けたサム・ムーアとアンジー・ストーンを〈新旧スタックス共演〉させたり、他にもかつて発掘したトリーシャ・コヴィントン(懐!)やヴァン・ハント、キャサリン・マクフィーら〈アメアイ〉組、マライアにゴーストフェイス・キラー、ジョス・ストーン、ジェイソン・ムラーズ……といった面々を招集して、カントリーやゴスペルなども含めた大きい意味での〈アメリカン・ポップス〉を展開。一聴に値する豪勢な作品なのだ。
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