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第326回 ─ BLOW MY BRAINS!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/04/03   02:00
更新
2008/04/03   16:55
ソース
『bounce』 297号(2008/3/25)
テキスト
文/北爪 啓之

日ごとに評価を高めている凄腕バンドが、短いスパンで新作を発表したぞ、コノヤロウ!!

 2006年の〈ボナルー・フェス〉出演をきっかけに注目を集め、いまではオールマン・ブラザーズ・バンドやデレク・トラックス、マイク・ゴードンら凄腕連中とも対バンを張っている超絶テクニカル・バンドが、1年足らずでニュー・アルバム『Galaxy Girl』を完成させた。ジャジーな前作『Now』(これがまた素晴らしくカッコイイ)から一転してブルージーなロックを披露しており、ずっしりとした厚みのあるギターとタメの効いたリズム隊がもたらす腰直撃の図太いグルーヴに、〈コレだよ、コレッ!〉と拍手喝采。特に冒頭を飾るタイトル曲の豪快極まりないイントロは、CDをスタートした瞬間にいきなり拳骨でボッコボコ殴りかかられているような気がして、思わず〈コノヤロウ〉と叫びたくなるぞ、コノヤロウ。といいつつもジャム・バンドによくある〈ノリ一発! あとは気合でゴー!〉的な体育会系丸出しの垂れ流しアドリブ合戦とはあきらかに異なる、熱い感情迸るプレイのなかにもどこかクールさというか、妙なインテリジェンスと構築美を感じるんだよ。それもそのはず、リーダーのボビー・リー・ロジャースはエリート演奏家だらけのバークリー音楽院で、20歳そこそこにしてジャズの講師を務めていたらしい。流石だわ。