〈ポスト・カーテル〉と目されるアイドニアから目を離すな!!

カーテルに続いてアライアンスを脱退したアイドニアが、彼の育ての親であるコーデル“スキャタ”バレルの元で作った音源集。『Then And Now』=〈ちょい昔と今〉と意訳できる表題が意味深。サッカーやバスケのナショナル・チームに所属していたほどのアスリートであるアイドニアだが、血気盛んすぎるのかアライアンス系のアーティストとの喧嘩やマネージメントとのトラブルが絶えない。スーパー・リディム〈Coolie Dance〉を生み出し、現在ではダンスホール以外の仕事も多いスキャタ・サウンドの真髄と、アイドニアの天性のリズム感が真っ正面からぶつかる意欲作となっている。収録曲は水準が高いうえ、ヴァラエティーに富んでいて華やか。しなやかな筋肉に裏打ちされた、弾力性の高いダンスホールだ。どうやらアイドニアは頭を冷やして、スキャタと改めて音作りをしたほうが良さそう。