〈グラインドハウス〉から、「デス・プルーフ」が先陣を切ってDVD化!

クエンティン・タランティーノ×ロバート・ロドリゲス。ハリウッドの裏街道を激走する2人がガッチリとタッグを組んだ〈グラインドハウス・プロジェクト〉は、60~70年代のB級映画に触発されたシリーズだ。劇場公開の際は、タランティーノ監督作「デス・プルーフ」、ロドリゲス監督作「プラネット・テラー」と2本続けて封切られて話題になったが、DVDもまず「デス・プルーフ」から。前作〈キル・ビル〉シリーズは、これまで観てきた映画のオモロい要素をマッシュアップしたタラ技の総決算的な仕上がりだったけど、今回は……やっぱり、変わってないか。でも〈グラインドハウス〉精神に則って、殺人鬼+カーチェイスというシンプルなネタに絞り、ストーリーも直線的にしたぶん、破壊力は一段と増している。殺人鬼のスタントマン・マイク(カート・ラッセル最高!)が登場する前半はサイコ・サスペンス風。スタント・ウーマンと女優仲間のバッド・ガールズが登場する後半からは、ギア・チェンジしてアクションに継ぐアクション! ファッキンなCGは一切使わず、時速200キロのカーチェイスが展開されていく。
いったん殺されかけながらも、「今度は私たちの番よ!」とオヤジ(殺人鬼)狩りで盛り上がるバッド・ガールズ。そのリーダー役を演じるのは、実際にスタント・ウーマンとして経験豊富な女優のソーイ・ベルで、ボンネットにしがみつきながらもマイクをとことん追い詰める。このへんのガールズの活躍ぶりは〈プッシー・キャッツ〉的で、〈ラス・メイヤーmeets「バニシング・ポイント」〉みたいな無法ぶりにゾクゾクさせられる。もちろん音楽も最高で、今回はジョー・テックスやエディ・フロイドなど、いなたいR&Bナンバーが隠し味。なかでも、バーでのダンス・シーンでジュークボックスから流れるコースターズ“Down In Mexico”は、美女の胸の谷間に滑り落ちる汗のようなホットさである。とにかく、全編に渡ってタラの〈バック・トゥ・モノ〉なエモーションが爆発。そして、片足にマシンガンを仕込んだ美女が暴れるホラー・アクション「プラネット・テラー」も、「デス・プルーフ」から1か月遅れでDVD化される。できれば2本立てで観ていただきたい!