最新のロックを提示する注目レーベルに接近! パーティーはまだ始まったばかりだよ!!
一大旋風を巻き起こしている〈ニュー・レイヴ〉というムーヴメント。クラクソンズやCSS、シットディスコなどさまざまなアーティストがそれぞれの切り口で〈ロックとダンスの融合〉を体現し、結果、リスナーは彼らを熱狂的に受け入れた。その動きをさらに加速させ、いま現在大きなウネリを作っているのがオーストラリアのインディー・レーベル、モデュラーだ。NME誌にサンプラーCDを付けて大反響を呼んだほか、今年の〈サマソニ〉では深夜に〈モデュラー・ステージ〉が出現するなど各地で猛威を振るっている。そこで、いまだ知られざるこの注目レーベルの魅力に迫ってみようと思う。創設時期について確かなことはわからないが、おそらく90年代半ばから活動を開始していた模様。だが、しばらくはレーベルというよりもディストリビューターとしての機能が充実しており、ジャック・ジョンソン主宰のブラッシュファイアやコールダーをはじめとするアウトプット、アーティスト単体ではヤー・ヤー・ヤーズやマスタークラフトらとライセンス契約を結び、オーストラリア国内に海外の良質な音楽を広めていった。
しかし、ウルフマザーの大ブレイクを機にここ数年で急激な成長を見せることとなる。カタログを眺めてみてもわかるとおり、扱うサウンドは実に多彩(というかめちゃくちゃ)で、レーベル・コンセプトはズバリ雑食性だ。感覚をとことん研ぎ澄まし、本当におもしろいものだけを発信するモデュラー。たまたまニュー・レイヴの波に乗って世間の視線を集めているのではなく、きっとこれからも最先端の音楽を提案してくれるはず。つまりはこれからが本番ってことよ!
(白神篤史)

BEN LEE 『Something Remember Me By』(1997)
いまはなきグランド・ロイヤルの秘蔵っ子として登場した彼が、弱冠17歳で作り上げた2作目。地元オーストラリアではモデュラーが世界に先駆けてリリースし、レーベル初期の隠れた名盤として知られている。なお、店頭在庫のみなので、出会った時は即ゲットです!
(白神)
THE AVALANCHES 『Since I Left You』(2001)
彼らも実はモデュラー一家! ここのところリリースはありませんが、サンプリング音楽の可能性を切り拓いたこのデビュー・アルバムの衝撃度はいまもって薄れることナシ。とってもポップで、踊れて、オシャレで、チャーミングな大傑作なのです。
(青木)
ROCKET SCIENCE 『Contact High』(2002)
2004年の〈フジロック〉で来日していたロケット・サイエンスのデビュー作は、モデュラーからのリリース。爆走するオルガンと超サイケなガレージ・ロックにニューウェイヴが絡み合うサウンドは、独創的で挑戦的。いま聴いても相当斬新だよ!
(白神)

THE BUMBLEBEEZ 『Red Printz』(2003)
コロア兄妹がキャンベラ近郊で結成した奇天烈ユニット。オーストリアとUKでヒットした2枚のEPをまとめた今作を聴いて、トム・ヨークが彼らをレディオヘッドの前座に抜擢!なんて逸話も。パンクとノイズとヒップホップが正面衝突した、爆裂サウンドがヤバすぎです!
(白神)
VARIOUS ARTISTS 『Leave Them All Behind』(2005)
ダンスとロックが行き交うレーベル・コンピの第1弾は豪華2枚組仕様。ブロック・パーティーやデス・フロム・アバヴ1979らに混ざって、地元の新人も収録! もちろんカット・コピーやプリセッツなどレーベルの顔も集結した、ディープすぎる入門盤だ!
(白神)
CUT COPY 『Bright Like Neon Love』(2006)
メルボルンの3人組によるデビュー作。ダフト・パンクやデジタリズムっぽいフレンチ・タッチ~ニュー・エレクトロなサウンドに、ニュー・オーダーやペット・ショップ・ボーイズの面影が色濃い80'sフレイヴァーを加えて、レーベルに新たな風を送り込んだ。
(白神)
THE PRESETS 『Beams』(2006)
オーストラリアで熱烈な支持を受けている2人組のデビュー作は、下品なニューウェイヴ・ディスコ・サウンドがズラリ。ソウルワックスやジャスティスとの共演を果たすなどロックとクラブ・ミュージックを股に掛けた活動はいかにもモデュラーらしく、さらなるブレイクも確実でしょ!
(白神)