5. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
「これはモダン・ジャズを聴くきっかけになった曲。勝手にしやがれをやる前から、この曲を女性ヴォーカルで、ドラムはブラシでサラッとじゃなくて俺がガンガンに叩いて演りたいっていうアイデアがあった。かなり昔に〈コラボしたい人っています?〉ってスタッフに訊かれたときに、〈濱マイク〉の印象で〈中島美嘉ちゃんがジャズ歌ったりしたらカッコいいじゃん〉って言ってたんだけど、今回それが実現した」。
6. TOPSY
「結成当初にカヴァーしてたんだけど、この曲を演ってるバンドもそうそういなかったし、勝手にしやがれらしさが溢れていた。いまなら当時よりも演奏をオリジナルに近づけつつ、さらにそこに勝手にしやがれらしさを加えられるかもしれないって思って。DJでもよくかけるコージー・コールのヴァージョンはジャズなんだけど、俺が叩くことによって勝手にしやがれ流のアンサンブルになる」。

コージー・コールの編集盤『Cozy Cole And All That Big Band Jazz』(Orchard)
7. SHONER GIGOLO~JUST A GIGOLO~
「ルイ・プリマのジャンプ・ナンバー・ヴァージョンで知られているけど、あえて“Just A Gigolo”っていうのはマニアックなものも入れたいなあと思ったから」。
8. 出航 SASURAI
「寺尾聰さんの当時ヒットしていた曲のなかでも、なぜかこの曲がいちばん好きだった。メロディーは残したうえで、ちょっとモード(・ジャズ)系の雰囲気にしながらも、ソニー・ロリンズあたりが演りそうなアレンジのジャズ・ワルツでっていうアイデアが閃いたから」。
9. ドナウ河の漣
「クラシックなんだけどスウィンギーなアレンジにして、イントロはピアソラ風というか現代音楽風に。それでメロディーが始まっちゃえばルーマニア――(作曲家の)イヴァノヴィッチは東ヨーロッパの人だからファンファーレ・チョカリーアなどのバルカン・ジプシー・ブラスバンドの根本の人だと思ってるし、勝手にしやがれ風に取り上げるのは全然アリだと思った」。
10. FIESTA
「トロンボーンの福島(忍)に〈歌いたいものある?〉って訊いたらこの曲を挙げてきて。じゃあ、ストレートにやってみたらいいんじゃないかなあ、と。東ヨーロッパのトラッドの次がアイリッシュ・トラッドっていう流れは違和感ないでしょっ、て」。
11. LET'S GET LOST
「モダン・ジャズでヘレン・メリルの次にハマッたのがチェット・ベイカー。〈Let's Get Lost〉……どっかへ行こうとしているっていうのが確かにある。でもまずは、足元をしっかりと固めてからどっか行こうかなって……そういう意思表示」。