ALEJANDRO FRANOV

アレハンドロ・フラノフはアルゼンチン音響派のなかでもカブサッキと並ぶ最重要人物の一人。〈音の妖精〉と形容される彼は、シタール、ギター、アコーディオン、パーカッション、ヴォーカルなどさまざまな楽器をこなすマルチ楽器奏者である。ソロ作に加えてピアノ・ソロ・アルバムも発表する才人であり、フアナ作品でも欠かすことのできない存在だ。アルゼンチンの気鋭アーティストの他、KAMA AINAや勝井祐二、山本精一といった日本の音楽家からのラヴコールも多い。前作から3年ぶりとなる新作『Khali』は、ジンバブエの民族楽器であるムビラ(親指ピアノ)をメインに用いながら、ジャンルや国境を軽々と飛び越える無国籍サウンドを展開。フラノフならではとも言える、浮遊感に満ちた独自の音世界を聴かせてくれる。