2 では、実際に聴いてみよう! その2
アリス 『VII』 東芝EMI(1979)
名曲“チャンピオン”を収録した7作目。いまや逆さにしても顔になるようなルックスの谷村新司と、ウェストコースト的な乾いた感性も演歌歌手となって微塵も感じられない堀内孝雄。個性的な2人のヴォーカル&シンガー・ソングライターを擁したスーパー・グループ……で、もうひとりは誰だっけ!?
八神純子 『八神純子ポップ・ヒッツ』 ヤマハ
70年代後半にはニューミュージックにもAOR的サウンドが反映されはじめたが、そこで思い出すのが彼女。ハイトーン・ヴォイスを武器に“みずいろの雨”“想い出のスクリーン”などヒット曲を連発。80年の“パープルタウン”には何とデヴィッド・フォスターの名が!
松山千春 『起承転結』 ポニーキャニオン(1979)
“初恋”“季節の中で”といったヒット・シングルばかりを集めた初のベスト盤。ちょっと神経質そうなルックスと、時折オンナ視点で語られる純な詞世界で、開通前の女子を中心に絶大なる支持を得た千春は、元祖〈サッカー好きを公言したミュージシャン〉でもある。
久保田早紀 『夢がたり』 ソニー(1979)
いわゆる〈一発屋〉と呼ばれ、1曲のヒット、そのインパクトだけを強烈に残して消えていくアーティストが多かったのもニューミュージック時代の特徴。彼女の場合、厳密に言えば81年の“オレンジ・エアメール・スペシャル”もそこそこ売れたけど、やっぱ“異邦人”なんだよね。
オフコース 『We are』 東芝EMI(1980)
美しいコーラス・ワークを武器とし、〈日本のカーペンターズ〉というフレコミで70年にトリオ編成でデビュー。その後、5人組のバンド編成になってからは、“さよなら”“Yes-No”などのヒットを飛ばし、ビッグネームの仲間入り。本作は彼らにとって初のNo.1ヒットとなったアルバム。
チャゲ&飛鳥 『熱風』 ワーナー/ヤマハ(1981)
中島みゆきや長渕剛らを輩出したアマチュア向けのコンテスト、通称〈ポプコン〉。ニューミュージック・ブームにもひと役買った同コンテストの入賞アーティストで、その後も活躍している最後の世代が彼ら。大陸的ムードのヒット曲“万里の河”を収録。