わずか3年という短期間ながらジェイムズ・ブラウン・ファミリーの一員として鮮烈な印象を残したマーヴァ・ホイットニー。その彼女が、2006年6月の日本ツアーで同行したオーサカ=モノレールを従えて、ニュー・アルバム『I Am What I Am』をリリースした。70年のライヴ盤以来、実に36年ぶり!
44年にカンザスシティで生まれたマーヴァはファミリー・ゴスペル・グループで歌うなどの前歴はあったが、ブレイクは67年、JBのレヴューに参加してから。甲高くパンチのある歌声がJBの激しくタイトなファンク・サウンドと抜群の相性を見せ、69年にはJBの助力を得たシングル曲をまとめた『It's My Thing』をリリースしている。そこにはアイズレー・ブラザーズ“It's Your Thing”への返歌となる表題曲(後にマーヴァはアイズレーズのT・ネックからシングルを発表)のほか、現在ではDJの45キング“The 900 Number”の元ネタとして有名な“Unwind Yourself”などが含まれ、それらは多方面で何度も再評価された。だが、どんな形で再評価されようが彼女の音楽はファンク以外の何物でもない。今回、新作の表題曲となった先行7インチでもハッキリとそれを証明してくれたわけだが、モータウンの名曲を歌うなどのポップセンスも含め、マーヴァの志は〈あの頃〉と同じだ。そんな彼女だからこそ、ドイツのDJパリを通じて、遠い東の国でJBサウンドを追求していたオーサカ=モノレールと合体したことも何ら不思議ではないのだ。