S.E.V.A.『S.E.V.A.』(2005)
エイシーアローンの『A Book Of Human Language』での仕事ぶりが名高いマンブルズと、新進のゴーン・ビヨンドによるトラック職人コンビの初アルバム。シタールやタブラなどのインド楽器を用いたオリエンタルな感触が、モーダルなジャズ・ブレイクスにゆったり融和したインスト集。これぞUS西海岸の叡智!!(出嶌)
FAT JON THE AMPLE SOUL PHYSICIAN『Wave Motion』(2001)
この時点ではまだまだ知る人ぞ知る存在だったファイヴ・ディーズが、日本でも認知を高める一助となったファット・ジョンのソロ作。ジャズやソウルの黒々としたサンプリングを随所にあしらった緻密なインストが実に美しい。やたら越境したがる最近の彼の作風より、よっぽどクロスオーヴァーな出来では?(出嶌)
ADEEM 『Sweet Talking Your Brain』(2002)
MCバトルの最高峰〈Skrible Jam〉で初めて2度の優勝を勝ち獲るなど、高い実績を誇るフリースタイル巧者のファースト・アルバム。バトルのライヴァルでもあったセイジ・フランシスをはじめ、トラック面ではDJマヨネーズも登場するなど何気に豪華な仕上がり。マイク捌きは言わずもがな。(出嶌)
THE RAMM:ELL:ZEE『THIS IS WHAT YOU MADE ME』(2004)
凄い凄いと言われつつも、その実体が見えにくかったヒップホップ界の伝説が、INDOPEPSYCHICSをパートナーに迎えたこのファースト・アルバムにて、その壮大な宇宙観の一端をご開陳。仕掛けられた謎をひとつひとつ紐解いていくようなスリルは、ここでしか味わえないものでしょう。(大石)
GoRo 『DuB SHANTI』(2005)
ディジュリドゥなど世界各地のさまざまな楽器に精通したマルチ・インストゥルメンタリストのGoRoが、世界中で録り溜めてきた演奏/音素材の数々を再構築した脳内トリップ盤。アコースティック楽器の静かな音色がグルグルと渦を巻き、深い酩酊感を醸し出すスピリチュアルな仕上がりだ。(大石)
THE OPUS 『001 First Contact!』(2002)
99年の傑作『Archietechnology』で注目を集めたラバールームの2/5にして、DJ KRUSHとの共演歴もあるプロダクション・チームのファースト・アルバム。エイソップ・ロックらを招いたラップ・チューンに、荘厳で美麗なインスト曲を交え、その評価を確固たるものとした一枚だ。 (大石)
KK『pure fragments EP』(2003)
DJ KRUSHの『覚醒』に参加して名を上げたトラックメイカーで、昨年の力作『ETERNAL TONES』にて記憶されるKKもトライエイトからのリリース歴アリ。重厚なレイヤーの奥底で感情が明滅するような独特のインスト・マジックで、ジャケそのまんまの世界観を提示。これは美しい!(出嶌)
Hideo Sasaki『Light Sleep』(2004)
DJ KRUSHの『覚醒』やコンピ『響現』などにフィーチャーされてきたクリエイター/DJ、HISAのファースト・アルバムで、全編がインスト。穏やかなビートにガムランなどの音色が柔らかく溶け込み、雲の隙間から徐々に陽光が射し込むような美しい世界を描写している。もっと評価されていい傑作だ。 (大石)
KILLER PARDONG『Killer Pardong』(2005)
THINK TANKのラッパーであるKILLER BONGと、パードン木村……他に類を見ない個性を誇る2人の共演作。KILLER BONGが黒煙を吐くように言葉を綴れば、パードンも壊れてるんだか緻密なんだかわからない風変わりなブレイクビーツで応じる。どのジャンルからもニュルリとハミ出してしまう特濃盤です。(大石)