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連載/コラム

第1回 ─ ヤン富田が自身の音楽遺伝子(の一部)を覗く - Part.1 -(2)

連載: ヤン富田 の MUSIC MEME

掲載: 2006年05月25日 17:00

更新: 2006年05月25日 19:48

文/bounce.com編集部

ヤン富田が語る、ミーム(音楽遺伝子)たち その2 EXIOTIC(エキゾチック)、POP(ポップ)、DUB(ダブ)、FUTURE(フューチャー)

■EXIOTIC(エキゾチック)
エキゾティックはねぇ、すごくハマって。マーティン・デニーさんのエキゾティック・サウンド、本当にね、70年代に5年くらいかな、その音楽を聴いて催眠術をかけられたような状態になって、本当に研究した。物事ってさ、研究すると本質に出会うんだよ。最初ってなにもわかんないじゃない、スポーツでも学問でも何でも。その音楽がどういうものなのかとか、世の中にとってどういう位置づけなのかとかまったくわかんないじゃない。研究すればするほどその本質に向かっていくわけ。僕はヴァン・ダイク・パークスのレコードを聴いてドラム缶はじめたわけ、そうしたらヴァン・ダイク・パークスと共演したりね(註:88年の初来日公演に、ディスカヴァー・アメリカ・オーケストラの一員として参加)。マーティン・デニーを研究したら、90年にはマーティン・デニーさんのプロデュースをすることになったり(註:90年作『Exotica 90』)。それはつまり、本質に出会っていくことなわけ。だからね、謙虚にコツコツとやっていくと、そういう結果が出るわけ。半端にやっているとダメなの。

■POP(ポップ)
ポップとポップスっていうのは違うからね。自分はポップはやるけど、ポップスはやらないの。30年くらい前から言っているんだけど。〈素材〉と〈表現の仕方〉っていうのがあって、その両方ともその時代のものだとするじゃない。簡単に言っちゃうと、流行の表現と流行の素材を使ったものはポップスになるわけ。で、もっと言っちゃうと売れ線とかって言われちゃう。ポップっていうのは、表現の仕方か素材、どっちかがその人のこだわりであったり、まったく流行とは関係ないものであったらいいわけ。で、素材も表現の仕方も、両方とも時代とは関係のないものってあるじゃない? それをね、マニアックっていうの。マニアな世界。勝手にやってろ、っていう。(素材か表現方法の)どっちかが流行のものだとするじゃない。それはね、ポップになるスタート地点にまずは立つもの。ただ、ポップなものを作ったとして、それがすぐにポップスに追いつかれちゃうようなものだったら、それは大してポップじゃないんだな。ずっとポップスにはならないけど、ずっとポップである、そういうのが最高のポップだと思ってる。だから、ポップスとポップはまったく違うんだ。姿勢として180度違う。ジャンルとかは今となってはどうでもよくて、姿勢が一番大事なんだよね。でさ、今回TORUMAN君をプロデュースして『友情』ってタイトルをつけたのね(註:6月28日にリリースされる、ヤン富田のレーベル、ツナミ・サウンズからリリースされるTORUMANのデビュー・アルバム『友情』)。昔の不良の奴らって絶対に仲間を裏切らなかったじゃん。その感じがこれからの世の中には絶対いいと思うんだ。つまり、〈友情〉っていうタイトルをつけることって、すごくポップだと思ってるわけ。

■DUB(ダブ)
ダブは随分研究した。どういう構造でこの音が出ているのかって調べていくと、道具の音だったりするわけ。でね、リミッターだったりとか、いろんな機種があるんだけど、多分これ使ってるんだろうなってすぐわかる。そういう研究をする人は世界でもあんまりいない。同業でも、そういうことをやってる奴はすぐわかるの。例えば何かさ、コトバの端にあるキーワードをぶつけるわけよ。それを知っているか知らないかで、すぐわかっちゃうんだよ。研究していくとさ、剣豪みたいに刀を抜かなくても〈おぬし、できるな〉ってわかる。とりあえずそういう域にはいかないといけないの、ものを研究するっていうことは。……ダブは専門領域の話になってくるんだよね。語りだしたらすっごくオモシロイ世界だったりするんだよ。

■FUTURE(フューチャー)
音楽を作るうえで〈フューチャー〉とかって全然考えたことない。そんな簡単じゃないし、作為的になっちゃうじゃん。ただ、想像はするけどね。どんなものでも、自分がタイトルつけたりとか、自分がやっていることとかも3年後とか5年後とか8年後とか10年後とか20年後とか……〈どうなってるんだろう〉っていうことは考える。そういう意味では〈未来〉っていうコトバじゃないんだけど、何年後とか何年先とかっていうものは考える。今の時代感でいったら、3年経っても、カッコ悪いものにはなってないだろうなとか。逆に3年経ったら輝き出すだろうな、っていう判断はする。ただ、〈未来モノ〉だからってそれを未来に向けて作っているわけじゃない。〈今出す〉っていうことが一番大事なの。

……次回につづく。

YANN TOMITA is.....!???

須永辰緒、田中知之、松浦俊夫、テイ・トウワ、EYE、Buffalo Daughter、小山田圭吾、カヒミ・カリイ、藤原ヒロシ、NIGO、こだま和文、ECD……彼らすべてからリスペクトされているのが、60年代末より音楽活動を続けるヤン富田。また、日本で初のヒップホップ・アルバムを作ったのも(いとうせいこう『MESS/AGE』)、日本で初の全編スティール・パン作品を作ったのも(ASTRO AGE ORCHESTRA『HAPPY LIVING』)、日本で初のアシッド・ハウス作品を作ったのも(阿川泰子『DANCING LOVERS NITE』)、すべて彼。数え切れないほどのプロデュース/リミックス/スティール・パン奏者としての客演などをこなし、いくつかの名義で未来を見据えた傑作を放ち続けてきたヤン富田だが、ここにきて突如リリースラッシュ!! まず届けられたのが書籍版「フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム1」とミニ・アルバム「フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム 2」。そして6/28にはヤン富田プロデュースによる、新人シンガー・ソングライター=TORUMANのファースト、そして7/28にはDOOPEESのセカンド・アルバム『DOOPEE TIME 2』が登場予定。この機会に、彼の膨大な音楽世界に触れてみては?

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