Ⅱ それでは実際に聴いてみよう! その2

NAT KING COLE TRIO 『The Best Of The Trio(Vocal 1942-46)』Blue Note
“Mona Lisa”などのヒットで歌手として成功するナット・キング・コールの出発点はピアノ・トリオ。キング・コールのピアノと名人オスカー・ムーアのギターのコンビネーションも見事なベスト盤。こんな小気味良い洒脱なムードもジャイヴの魅力だ。

THE SPIRITS OF RHYTHM 『The Spirits Of Rhythm 1933-1945』 Classics
ギターの名手、テディ・バンと豪快なスキャットを聴かせる稀有なキャラクター、レオ・ワトソンを擁するジャイヴ・グループの編集盤。ギター、ティプレなどの弦楽器が織り成すドライヴ感と、メンバーの阿吽の呼吸によるコーラスが見事です。

SCATMAN CROTHERS 『I Want To Rock n' Roll』 Hydra
映画「シャイニング」などで、俳優としても知られるスキャットマン・クローサーズだが、元来はゲイラードらとも親交のあった強烈なキャラクターのジャイヴ・シンガーだ。これはスキャットを交えた豪快な歌いっぷりがたっぷり味わえる、50年代の名曲集。
ROSE MURPHY 『The Chee-Chee Girl』 Living Era/ASV
男ばかりじゃない、女性もジャイヴしてました。マリリン・モンローが歌ったとんでもなくコケティッシュな名曲“I Wanna Be Loved By You”をヒットさせたローズ・マーフィの編集盤。〈チチチ……〉という可愛らしいスキャットにイチコロです。
LUCKY MILLINDER 『The Very Best Of Lucky Millinder』 King
ビッグバンドを率いたバンド・リーダー、ラッキー・ミリンダー。粘っこいビートとブ厚いホーンに加えて、メンバーによる掛け合いのコーラスが楽しい賑やかなビッグバンド・ジャンプ&ジャイヴ。キングへの吹き込みを集めた50年代録音。
DIZZY GILLESPIE 『School Days』 Savoy(1951)
ビバップの語法を採り入れたスキャットを聴かせるシンガー、ジョー・キャロルをフィーチャーしたガレスピー楽団のサヴォイ録音盤。ビバップにアフロ・キューバンと、新しい音に興味津々だったガレスピーの姿勢には常にジャイヴがあった。