〈マトモスは狂っているのがマトモっス!〉ということで、新作も相変わらずの奇天烈猟奇エレクトロニカを展開し、僕らの常識にズブリとメスを入れてくれました。そんなマトモスだからして当然ゲストも多彩と言いましょうか、まさに個性派揃いの超人集会。ここではそんな錚々たるメンツを一気にご紹介します。
まずは冒頭で詩の朗読を披露しているビョーク。彼らの存在に一早く注目し、2001年作『Vespertine』に起用して以来、ツアー・メンバーにも抜擢するなど、お互い切っても切れない良い関係を築いているわけです。続いてはアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズのアントニー。ルー・リードも絶賛する猥雑で悲しみまみれの歌声が、マトモス・ワールドに場末の暗黒美をもたらすことに成功。そして現代音楽界から顔を覗かせた弦楽4重奏団=クロノス・クァルテットは、ジャンルレスかつ挑戦的な演奏でバツグンの相性の良さを見せつけてくれました。そのほか、女性ハープ奏者=ジーナ・パーキンスやエレクトロ・ファンクを聴かせてくれるセーフティ・シザーズ、さらにジャームスの元メンバーも集まったんだからもう大変! 類は友を確実に呼び込むんですね。
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