先週から新たにスタートしたbounce.comオリジナル・マンスリー連載〈タイムスリップ・ディケイド・ディスク〉。70、80、90年代、2015年の一枚を厳選していただき、その作品と自分だけの甘酸っぱい想い出を綴ってもらおう!というコーナーです(最後の〈2015年〉は未来の自分が聴いてるであろう一枚ということで)。マンスリー(全4回)で様々なアーティストに入れ替わり登場いただく予定ですが、今月のゲストは、ファースト・アルバム『四角いVISION』をリリースしたばかりのSLOTH LOVE CHUNKSのみなさん。前回の70年代編に引き続き〈80年代の一枚〉をお届け致します!

佳世(ヴォーカル/ギター)
学校から帰ってTVの前に転がっていたビデオをON↑したら突然大きな口に細長いウィッグをつけたケイトとシンディーが踊り歌っていた。カルチャーショックというかジョン・ウォーターズの世界が音とリンクした気分だった。私の住む理想の場所が、そこにあった。愛してやまないリッキーのくつ下。
og(ギター)
〈自分らとは違う〉と、悔し紛れの幼き反論。でも、何度も聞いた。1998年、僕がいたバンドではじめて出した音源についたコピーが〈彼らは札幌のあぶらだこか、いや、それとも……〉。で、買って聞いた。曲の構成、演奏技術、雰囲気、それらがどうこうではなく、そこには〈あぶらだこ〉があった。〈札幌の……〉ってことはつまり、それなりにそうだけどそれ以下ってことだからやはり当時は自分らとは違うと吠えるしかなかった。“象の背”って曲が笑ってる僕を笑う。
Kenji Kanno(ドラムス)

CADILLACの88年作『ROTTEN HAMBURGER』(現在廃盤)
80年代の一枚は? 次は、次こそはパンク・レコードを!と思ったが、なんだか思い出したのでコレを出します! CADILLACの4枚目のアルバム『ROTTEN HAMBURGER』。当時中1だった僕は、いとこの淳也君のやさぐれた音楽センスの影響で(?)、このバンドの曲を擦り込まれてしまいました…。代表曲は“青春のあいうえお”という曲なんですが、このアルバムのイチ押しは“CIRCUS”という曲です。歌詞が良いです。ファースト~セカンド時のチェッカーズに成りきれなかった感が吹っ飛び、このサードではR&R全開です。
中尾憲太郎(ベース)
ピスルズ、クラッシュ、前回挙げたP.I.L.と高校のある同級生と一緒に聴いてきて、ある日その同級生が当時の宝島を持ってきて「お前、ジグジグって知っとーや?」。ルックスだけでは俄然ピストルズよりもジグジグ。子供が思い浮かべる〈悪いロック・バンド〉のイメージ。さらにジェネレーションXのトニー・ジェイムズ在籍とあらば聴かざるを得ない。曲と曲の間に入るCM(!)まで唄えるほどに成長しました。
▼SLOTH LOVE CHUNKSの作品