ある時はサイト・リニューアルの裏側で活躍するスーパー・プログラマー、ある時はTV Bros誌連載でもおなじみの理系男子コラムニスト、そしてある時はヒップホップ/R&Bのプロモクリップ映像の世界(肉体)にトコトン魅せられる一男子……一瀬大志がレペゼンする筋肉映像コラム。その名も〈ブラックミュージック★肉体白書〉。今回はアフリカ出身の新旧肉体派アーティスト、エイコンとキザイア・ジョーンズについて。
えーっと、まず今回はじめに取り上げるのは〈キング・オブ・健康〉こと、みのもんたさんです。5月に入ってからというもの、突然歯が痛みだして数日まともに寝れなかったり、急に寒くなった日に速攻風邪ひいてみたりと、もはや健康的にフンだり蹴ったりなのですが、そうしてベッドの上でひとり寝れずに苦しんでいるときに気をまぎらわせようとテレビをつけると出てるんですよ。みのさんが。しかも朝5時半から。
「スゲーいまって朝からみのなんだ!」と思いつつ、早朝から彼の無駄に演技がかったトークを聞いてるうちに何かのエネルギーを吸い取られてしまうのか、ようやく眠りにつくんですが、昼すぎに起きてテレビをつけるとまた出てるんです。みのさんが。しかも、おもいッきり! そんな日が数日つづくと、むかし英語の教材の例文に出てきたある言葉があらためて身に染みました ――「ヘルス(健康)はウェルス(富)に勝る」―― そう、人間、いくら金があったとしても、歯が痛かったら、寿司も、天ぷらも! 血のしたたるステーキも!! ていうか、バナナすらまともに喰えないんです!!!
そんなこんなで、おもいッきりテレビ。あれってみのさんがあれだけバリバリやれてるからこそ説得力があるんですよね? つまり、みのさんの市場価値はその健康っぷりが大部分を占めているわけで、もし健康不安説など出ようものなら、みのスタッフ総動員でもみ消し工作 → 裏で健康回復に全力で取り組む → 奇蹟の生還 → 「実は大病でしたが復帰しました」会見でその不死身っぷりをアピール→ さらにみのの価値向上、といったシナリオを遂行する必要があるわけです。こうなったら、そのうち HBK(=ヒトシ・ボッシュート・クサノ※前回参照)と対決させてどっちがホントのタフな司会者か白黒ハッキリつける必要があるでしょう。これって今年の大晦日の格闘技枠あたりでできませんかね? ワイドショー・ユーザーのお年寄も注目の一戦となるハズなので、もしかすると紅白抜きも可能かもしれませんよ > 業界関係者のみなさま
■ Akon
そんな独り淋しく妄想の病床ライフを送っているときに愛聴していたのが、アフリカはセネガル出身のロンリーガイ、エイコンの『Trouble』です。もちろん御多分に洩れず例の「筋肉ジャケ」とヒットシングル“Lonely”のセツナ声が購入の決め手となったわけですが、いや買ってみて驚いた。なにげにギャングじゃないですか、この人。
「刑務所に入れられてしまっただよ~。おおぉ、ここから出しておくれよ~♪」と歌う“Locked Up”、「俺はミスターロンリー。淋しいよ…」とつぶやく“Lonely”、それとうつむき加減で手を合わせているジャケットのイメージから、「遠い異国(アメリカ)に渡って淋しさのあまりついつい犯罪を犯してしまい、刑務所にいるドツボ状態のアフリカ人」いう物語を勝手に想像していたんですが、すでに7歳のときにはアメリカに渡っていて、その後は普通にアメリカのワルというか、車を盗んで刑務所に入れられたりしてるんですね。
てなわけで、アルバムには、似非ギャングスタ・ラッパーをディスる“Gangsta”という曲があったり、「ヘイ!女ども、服を脱いで踊れよ、ベリーダンサーみたいに」と繰り返すストレートなフロア向けエロナンバー“Bonanza (Belly Dancer)”があったりと、なかなか男汁あふれる内容になってるんですが、あいかわらずセツナ声なんで、全体を通してそこまで汁っぽくないというか、やっぱり淋しげに聞こえるところが他にはない不思議な魅力となっています。
で、肝心の肉体なんですが、まだ露出が始まったばかりの彼。その動く肉体が確認できるのは、プロモ・クリップ(公式サイトでチェック可能)でも筆者が確認した範囲では、せいぜい“Lonley”の冒頭の方でシャツを着替えるシーンのみ。得意の Google イメージ検索を駆使しても、あのジャケ以上の肉体画像をなかなか得ることができませんでした。ただ、肉体ファンのみなさんに納得してもらえそうなページをひとつだけ見つけたので紹介しておきましょう。
ジャケ写では前述の淋しげイメージからかコンパクトな肉体をイメージしてたんですが、なにげいい肉喰ってそうなカラダしてますよね。肌の質感もつや消しなりにツヤツヤだし、結構いい思いしてそうです。というわけで、ぜんぜんロンリーじゃなそうなところがちょっとだけ残念でしたが、まあ、やはりロンリーやるのも健康第一ということで。
■ Keziah Jones
一方、筆者が属するR30世代にとって、元祖セツナ声肉体派アフリカン・アーティストといえば、この人、キザイア・ジョーンズです。デビュー当時から変わらない「上半身裸にギター、そして帽子」という彼のスタイル。「あの帽子の下はいったいどうなっているのか?」と当時はよく議論されていましたが、そんなことはつゆも知らないヤングのみなさんのために、ここで基本情報をおさらいしておきましょう。
1970年。ナイジェリアはヨルバ族の酋長であり地元有数の資産家の父親のもとに生まれた彼は、英才教育の一貫として8歳のときにロンドンのパブリック・スクールに送り込まれるも、そこで出会った悪い友人(想像)と音楽との出会いのせいで、そのまま楽器演奏にのめり込み、18歳のときにドロップアウト。その後、ロンドンやパリでストリートミュージシャン生活を送り、レニクラの前座を務めるなどしたのち、92年『Blufunk is a Fact!』でデビュー。そのギターを叩きつけるように演奏する強烈なプレイスタイルで、「おいおい、そんなに弾いて手痛くないのかよ?(無理してんじゃねーの?)」と世の音楽ファンを無駄に心配させてしまったという経歴の持ち主です。
そんな彼の肉体の魅力といえば、言うまでもなく、そのストリートで鍛え上げられた風のオーラがビシビシと伝わってくる無駄のない上半身でしょう。なかでも鎖骨あたりの彫り深さと、みぞおちから腹部にかけての細長くも筋肉がタイル状にこびりついた腰周り、そして長年の激しい演奏で常に血管が浮きでてしまている両腕などは、力強くも繊細で、まさに彼の音楽そのものといった感じでアーティスティックにすら見えます。ここでネットで彼の肉体を堪能できるプロモ・クリップをいくつかみていきましょう。以下は彼のレーベルの公式サイトにあるプロモ・クリップです。
“Beautiful Emilie”
まるでクワガタをひっくり返したかのような黒光りする彼の肉体が堪能できます。メイキングと併せてぜひ見て欲しい一本です。
“I am Known”
帽子を取った彼の姿を見ることができます。盛り上がってきたところで上半身裸のキザイアが分身して踊り出すのですが、サイケデリックな処理が施されていて見ていてクラクラします。
“Black Orpheus (epk)”
故郷のナイジェリアはラゴスに戻ったときのドキュメンタリーです (15分弱)。裸ギターで演奏するシーンが挿入されています。特にラストの海辺を歩くシーンはその裸ギターっぷりがあまりにもハマリすぎてそのまま追いかけていきたい気分になります。
彼に興味を持ったヤングのみなさんは、昨年末にベスト盤も出ているのですが、まずはなんといってもファーストアルバム『Blufunk is a Fact!』を聴いて、自分たちR30世代が13年前に遭遇した「ブルファンク(ブルース+ファンク!)」(ちょと笑)の衝撃を体感して欲しいところです。
また、実は昨年、国内未発売のライブDVDが出ているようでして、これはまだ筆者も未見なのですが、ネット上でサンプルを見たところ、上半身をくねらせながら裸ギター全開のようなので、近いうちになんとか入手してその動きを堪能しまくりたいと思っています。(タワーさんぜひ入荷してください! リージョン2なんで国内プレイヤーで 再生可ですよ!)
以上、今回はアフリカが産んだセツナ声肉体派アーティストつながりでお届けしました。やはり健康が一番ですよね。