かのエルヴィス・プレスリーを父に持ち、かつてはニコラス・ケイジやマイケル・ジャクソンを夫にしていたという、その浮名だけで豪邸が建ってしまいそうな〈リアル・セレブレッド〉とは彼女のこと。強靭なサウンドと深い年輪を刻んだ分厚いヴォーカルによって作られた、大人のオンナによる豪快なロックが敷き詰められたセカンド・アルバム『Now What』が先ごろリリースされた。〈キング〉がロックンロールで黒人と白人の壁を打ち破ったように、金持ちの道楽なんかじゃ到底辿り着けない今作の完成度は、世間の偏見を打ち破ってもっと評価されてもいい。リサ・マリー・プレスリー、37歳。いまが絶頂期だ。