折しも竹島問題が再燃し日韓関係がギスギスする中、行ってきました韓国へ! 目的はソウルで開催されたイベント〈コリア・ジャパン・ロードクラブフェスティバル 2005〉。ソウルの街のど真ん中に建てられたテントと街中のクラブを舞台に、日本と韓国のアーティストが共演するという、大規模な国際交流イベントです。今回は出演アーティストのインタビューやコメントを交えつつ、このイベントの特別レポートをお届けします!

〈コリア・ジャパン・ロードクラブフェスティバル 2005〉とは?

街中の至るところにイベント開催を伝える横断幕やポスターが。力入ってます!
韓国ソウルのホンデ地区は、アート系の若者が集まる学生街。半径500mほどの狭い地域に数10店舗のクラブとライヴハウスが密集し、週末は音楽好きの人たちで大にぎわい(イメージとしては東京の下北沢みたいな感じ)。特に毎月最終金曜は〈クラブ・デー〉というイベントがあり、この日は1枚のチケットですべてのクラブが出入り自由。なんと毎回1万人を超す若者が集まるそうです。すごい。
そんな活気あふれるこの街で、去る3月25日に行われたのが、この〈コリア・ジャパン・ロードクラブフェスティバル 2005〉。日本から参加したのは、LITTLE、ソウル・フラワー・ユニオン、DJ KENTARO、BE THE VOICE、DJ MAYURI、安藤裕子、RYUKYUDISKO、DJ BAKU、GOTH-TRAD、DJ KIYO、DJ SODEYAMA、TOMOHIKO(SUPER BUTTER DOG)、TAKUYAの計13組。以下に熱狂のイベントレポートをお伝えします。
街全体がライヴハウス! ピースフルな雰囲気をゆるーく満喫

テントの音は基本的に外にだだ漏れ。近所の人たちが苦情を言いに来ないのが不思議なくらい(来てたかも)
イベント当日、ホンデ地区の駐車場スペースに特設野外テントが2つ建てられました。どちらもキャパは約500人。この2つのテントにLITTLE、ソウル・フラワー・ユニオン、BE THE VOICE、DJ KENTARO、RYUKYUDISKO、GOTH-TRADが出演するわけです。このほか前後の時間帯には韓国のバンドやDJも登場。しかもテントは無料で誰でも出入り自由! 街の真ん中ということもあり、通りがかりの人たちもバンバン入ってきて、思い思いに音楽を楽しんでいました。

LITTLEは通訳を通して歌詞の内容を説明するなど、コミュニケーション重視のステージ
まず日本人のトップバッターとして登場したのはLITTLE。ヒップホップの人気が高い韓国ですが、LITTLEのようなタイプのラッパーにとって言葉の壁はかなりデカいはず。正直少し不安を感じていたものの、はじまってみるとこれがすごいんですよ。コール&レスポンスにもきっちり応え、ときに手を振り、盛り上がる観客たち。そう、韓国のお客さんは超ホットなのでした。続いて登場したソウル・フラワー・ユニオン、BE THE VOICEのステージも「日本以上?」と感じるほどのものすごい盛り上がり。ライヴ終了後のお客さんに感想を聞いてみたら「日本にはいろいろな音楽があっていいね!」と話してくれました。確かにソウル・フラワーみたいなバンドは韓国にはいないだろうなぁ(つーか日本にもいないけど)。

DJ KENATROの超絶テクニックにオーディエンスは口あんぐり(撮影:松谷椿土)
そのころもうひとつのテントではRYUKYUDISKO、GOTH-TRAD、DJ KENTAROが大活躍。沖縄音楽の要素をちりばめたRYUKYUDISKOのサウンドは韓国の音楽ファンにも好評で、誰もが気持ちよさそうに踊りまくり。さらにGOTH-TRADでもみんなビシバシ踊ります。もちろんなかには不思議そうな顔でブースを見つめる人もいますが、あのブレイクビーツに引き込まれている人は思いのほか多く、正直驚かされました。そしてやはり圧巻はDJ KENTARO。ピッチコントローラを使って童謡“さくら”を演奏するワザをはじめ、次々と繰り出されるそのテクニックはやはり感動の一言。韓国でもDJ KENTAROの注目度は高いらしく、テント内にはどんどん人が集まり続け、最高の盛り上がりとなりました。

落ち着いた雰囲気のライブハウスでじっくり聴かせる安藤裕子(撮影:松谷椿土)
テントでのライヴが終わってもイベントはまだまだ続きます。安藤裕子、ソウル・フラワー・ユニオン、BE THE VOICEは近隣のライヴハウスに出演し、24時からは7つのクラブで日本人DJが登場。こちらは時間が重なっていたため、ぜんぶ観ることはできませんでしたが(ぼくもDJやらせてもらいました!)、どこも激しく盛り上がったみたいです。クラブによっては入場待ちの長い列ができていたところもあったほど。詳しい感想は、後述する出演アーティストからのコメントをチェックしてくださーい。
▼〈コリア・ジャパン・ロードクラブフェスティバル 2005〉出演アーティストの作品の一部を紹介(続きは2ページ後で!)