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第53回 ─ Afrika Bambaataa

連載
360°
公開
2004/11/04   16:00
更新
2004/11/04   16:44
ソース
『bounce』 259号(2004/10/25)
テキスト
文/出嶌 孝次、リョウ 原田

アフリカ・バンバータと巡るプラネット・ロック☆プラネタリウム

とりあえず凄い!とか言われているけれど、アフリカ・バンバータのどこが凄いのでしょう? ひとつには〈バンバータイズム〉とでも呼ぶべき影響を後続に与え続けていることが挙げられます。今回、新作『Dark Matter Moving At The Speed Of Light』をリリースした彼ですが、ここでは最近リリースされた諸作品に彼の影響がどのような形で活かされているのか、何となく観測してみましょう。バンバータの凄さは、その宇宙がいまなお更新され続けているところにもあるのですから。(出嶌孝次)

NU SKOOL BREAKS


ARTHUR BAKER 『Breakin'』 Perfecto(2001) 80年代バム・クラシックの多くを実質的に手掛け、リミキサーとしても人気を博したアーサー・ベイカーさん。にゃんとパーフェクトから出たこの2枚組ミックスCDはエレクトロ~ブレイクスのニュー・スクールとオリジンを織り交ぜた熱狂盤。シメはバムのアレ!(出嶌)


LIKE A TIM 『Bass Girl』 Tim(2004) 奇形エレクトロを生み続けたライク・ア・ティムは最近、TB303&女性ヴォーカルの異色編成でオールディーズ・ポップをカヴァー。クラフトワークをファンクと解釈したバム先生がユニークだったように、この人の読(音)解力も抜群。(原田)

ELECTRO

SI BEGG 『Director's Cut』 Novamute(2003) エレクトロ・ビートの突然変異は今日も世界のどこかで起きているはずですが(!)、スコットランド発ノー・フューチャー軍団のこの方の今作も凄かった。ヒップ・ハウス・ラガ・ベース・エレクトロな“Buss”が変態度抜群。(原田)

MISS KITTIN 『I Com』 Virgin France(2004) フィリックス・ダ・ハウスキャットとも合体し、ジゴロ産アルバムも好調な子猫姫。エレクトロ・パンク勢との直接的な繋がりはなくとも、かつてのバムはそのルーツとなった暗黒エレポップ~ニューウェイヴもガッツリ掘っていたはず!?(原田)

TECHNO

WESTBAM 『Electro Pogo Jam 133.3』 platik(2003) 言わずもがな!  クラフトワーク成分が流れた“Planet Rock”を(旧)西ドイツにて逆輸入体験した西のバム。そもそもはスクラッチ・チャンプだっただけあって、テクノ~エレクトロ・セットでも小粋なコスリ技を聴かせてくれます。(原田)

Dr. Shingo 『ECLIPSE』 Television(2004) どちらかというとクラフトワークの〈遺電子〉を共有する従兄弟のような関係ではありますが、メロディアスなものからダーク・アシッド・テイストまでを打ち出す彼のエレクトロ感覚はバム親方にもぜひチェックしていただきたい。(原田)

ANTHONY ROTHER 『Popkiller』 Data Punk(2004) 欧州テクノ界で多芸&人気なこの方もクラフトワーク衛星繋がりで、バム叔父貴とは又従兄弟くらい。ドイツ流儀のクール・エレクトロながらロボ声&ニューウェイヴ感満載、スカスカ・ビートにバムも萌える!?(原田)

DISCO

HIFANA 『FRESH PUSH BREAKIN'』 W+K東京LAB(2003) 今年の〈METAMORPHOSE〉でバム先生の前にライヴを披露したHIFANA。初期のバム叔父貴がレコード2枚使いで魅せた完全手動ブレイクビーツのフレッシュな輝きは、この2人に降臨しているのかも。(原田)

『The Disco Tech Of Alxander Robotonick』 Yellow Productions(2004) イタロ・ディスコ熱再沸騰で大忙しのロボ先生はバム先生と同じく70年代からの現役組。その電子音フェチなプラネット観はイタロ~ブロンクス・ラインで共振していた!?(原田)