ある時は超巨大資本企業のシステム設計に携わるスーパー・プログラマー、ある時はTV Bros誌連載でもおなじみの理系男子コラムニスト、そしてある時はヒップホップ/R&Bのプロモクリップ映像の世界(肉体)にトコトン魅せられる一男子……一瀬大志がレペゼンする筋肉映像コラム。その名も〈ブラックミュージック★肉体白書〉。第五回はまず、あのドラマの話から!?
観ました? 新しい金八。まず第1話のタイトルからして「史上最低の3B!」という、長年の金八フリークを挑発するタイトルだったわけですが、いやホント、史上最低の3Bでしたね。いままで以上にガキっぽいくせに、あらゆるシーンを茶化すスキルにだけは長けた生徒たち。彼らに対して、あの金八節が通じない場面の連続に、全国のファンが何度歯ぎしりしたことか! とりあえず、個人的な見どころを2、3列挙すると
・ゲームフリークの2人はいかにして心を開くのか?
・「車掌」のメガホンは最後まで没収されないのか?
・狩野伸太郎はちゃんと給食費を払うのか? (そして彼にも心の闇はあるのか?)
といったところでしょうか。特にゲーム・オタクのくせに、やたらと強気な小野孝太郎の新種っぷりにゾクゾクきてる人も多いと思われます。それにしても、しょっぱなから終盤レベルの悲しい眼差しを投げかける丸山しゅう君。いや、ホント彼だけは救われて欲しいよね。
■ Ja Rule
そんな各局の力作ドラマがスタートするこの季節、毎年お約束のように新作をドロップする男と言えば、そう、ジャ・ルール。今年もしっかり11月に予定されてます。ニューアルバム『R.U.L.E.』が。

2002年発表『Last Temptation』のジャケット写真より。鍛え上げられた広背筋にはタトゥーが浮かぶ
女子のハートをがっちり掴むことに成功したこれまでのR&B路線から一転。昨年は50セントとの争いから、これまでにないハードコアな作品をリリース。己の漢気をいかんなく発揮する一方、多くのファンに「やっぱR&B路線だよな」と再確認させてしまったのもまた事実。そんなわけか、50との問題が収束するやいなやニューシングル『Wonderful』を発表。R・ケリーとアシャンティをフィーチャーしたこの作品は「もしかして、R・ケリーが歌ってるパートの方が長くね?」と思わせるに十分なほど特盛りR&Bな仕上り。プロモ・クリップの方では、2人してスーツに葉巻でキメてみたりと、共に修羅場をくぐってきた感を絶賛演出中だ。
これまでジャ・ルールといえばその身長のせいか、肉体というより帽子やハチマキその他、小物使いがうまい「HIPHOP界のオシャレさん」というイメージが強かったのだが、よく見てみるとなかなかバランスのとれた肉体。背後からのショットでは、翼のタトゥーが映えるようキレイに仕上げられた背筋を拝むことができたりして、見どころ満載だ。また忘れてはいけないのが、母性本能をくすぐるそのキュートな顏つき。若干目が離れてるところなどは、まるで仔犬のよう。そんな彼にあの声で上目使いに吠えられたら、そりゃあ女子が放っとけないのもわかるような気がする。甘いマスクにファッショナブルなスタイル(に、あの声)。ハードコアなHIPHOPファンからナメられやすいのは、その商品としての完成度の高さゆえのことなのかもしれない。
果たして、今回のアルバムで復活を果たすことができるのか、注目してみたいところだ。
■ Ciara
ジャ・ルールと共に、いま「あんな声出してみたい」ランキング上位に君臨する男、リル・ジョン。アッシャー“Yeah!”をはじめ、モブ・ディープ“Real Gangstaz”など様々なプロモ・クリップにおいて楽しげにガヤを入れている様子は、まさに理想の道楽オヤジ。ピーク時のファレル(ネプチューンズ)なみの露出っぷりに、主演アーティスト以上に魅力を感じてしまっているB-BOY も少なくないだろう。そんな彼が“Yeah!”に続くクランク&B第2弾作品としてチャートに送り込んできたのが、アトランタからの新人、シアラだ。
彼女の魅力といえば、なんといってもあの長い手足とうねる腰。MTVで“Goodies”のプロモ・クリップをはじめて見たときは、ただでさえ長い手足をさらに強調するあの衣裳、そしてダンス、さらには得体の知れないピーヒョロ音に、50セントのときと同じく「おいおいどこから連れてきたんだよ?」と思わずテレビにツッコミを入れてしまったほど。その人間フラワーロックとも言えるクネりっぷりで、インパクト重視の新人デビュー戦においてみごと勝利を収めた格好だ。
そんな彼女について知るため、公式サイトを訪れてみたところ、実際には“Goodies”のイメージより、かなり健康的なタイプであることが判明。身長170cmの18歳。同じ迫力ボディでも、ビヨンセが肉食竜なら、シアラは草食竜といった感じだ。ツッコミどころといえば、あまり腹から声が出ていないことぐらいだが、R・ケリー提供曲では立派にケリー節をこなしてみたりと、体力的なところがカバーでき、うまくライヴアクトをこなせるようになれば、逆に腹から声が出るタイプのラッパーと相性がよさそうな点からして、今後の活躍が期待できるかもしれない。
とりあえずいまは、ミッシー・エリオットと競演したセカンド・シングル“1,2 Step”のビデオが待ち遠しい限りだ。