Buffalo Daughterのメンバーが毎月、DVDをご紹介する本コーナー〈BD-DVD〉は今回が最終回。最後はシュガー吉永さんが、アメリカの大統領選直前ということでバシっと「華氏911」ほか必見映画をご紹介します。Buffalo Daughter本隊は10月31日にはタイ&日本の素敵ミュージシャンが集うSoi Music Festivalに出演するなど、引き続き活動加速中です!
※本記事は米国大統領選挙前の2004年10月28日に掲載されたものです。
とうとう最終回。実は原稿のことをすっかり忘れて昨日までハワイでバケーションしてました。
降り立てば 指紋押させて 夢砕く
9.11後のアメリカのいわゆるhomeland securityの強化で、ビザ免除国からの旅行者も指紋押捺を義務づけられることになったのはご存知でしょうか? アメリカ入国時に両手人さし指の指紋と顔写真をとられるんですが、これを「生体情報の読み取り措置」というらしい。この呼び名、ちょっとビビる。テロ防止法にはまだまだあって、米国向けの機内でトイレ付近とかにやたらに複数の人数で集まるのは禁じられてるそうだ。もはや連れションもみんなでトイレ前ストレッチもNO! 機内で眠れなくて狭いエコノミー席に疲れてトイレ前でたむろってると逮捕されるかも(苦笑)。
旅するのも楽ではなくなったものだが、その原因となったあの日をタイトルに掲げた「華氏911」が早くもDVD化。ムーアは嫌いじゃないし反ブッシュな私だが、実はこの映画には「うーん」と思ってしまった派。ちょっとエンタテインメントしすぎて肝心な点がぼけちゃったかなと。とは言え必見の映画であるのは間違いなく、しかし併せて見てもらいたいのは、映画「フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白」(公式サイトはこちら)。戦争はなぜおこったのか、なぜ止められなかったのか、彼の「11の教訓」を聞くと could have/ would have/ should haveの歴史が見えてきて背筋が寒くなります。人間誰でも間違いは起こすものだけれど、その"誰か"の判断が爆撃機を送ることになったり爆弾のボタンを押したりする。それを"現場"にいた本人から聞く緊迫感はやはりすごい。こんな貴重なインタビューを撮れたエロール・モリス監督、あっぱれです。
反戦争とアメリカを考える映画として3本立てでぜひお勧めしたい最後の一本はつい最近全米公開が始まったばかりのトレイ・パーカーとマット・ストーンの最新作「Team America World Police」(公式サイトはこちら)。ハワイで観てきたんですが、これはいろんな意味で凄い。本人達もテレビのトークショーで語っていたけど、とにかくoffensiveの超特大最上級。サンダーバードばりの人形活劇(笑)なんだけど、実名でハリウッドスターや北朝鮮のあの人やら誰やら彼やらが出てきて、とにかくメチャクチャやります。サウスパーク映画版がダメだった人も、これは無理しても見るべし。但しお子様は絶対に連れていかないで下さい。