213の華々しい再編劇の影にひっそり隠れるように、なーんてワケはなく突如リリースされたイーストサイダーズの3枚目のアルバム『Free Tray Deee Vol. 1』。トレイ・ディー&ゴールディー・ロック組とスヌープとの間で起きた金銭トラブルが原因でグループは空中分解→スヌープへの当てつけで213との同時期リリースを画策、というのが経緯として有力視されていたのだが、事実は少し異なるらしい。
「スヌープとは一昨日もいっしょにショウをしたぜ。俺たちはホーミーなんだし、常に友情関係ってのを大切にしてるんだ」(ゴールディー・ロック:以下同)。
いろいろと囁かれていたビーフ関係は噂に過ぎないと一蹴されてしまったが、バッド・アズやコケインらスヌープの元を離れる奴らが後を絶たないってのは事実だ。
「みんなそれぞれの理由があるわけだし、俺がここでいちいちどうしたとか言うつもりはないね」。
うむむ。では復活したイーストサイダーズのこと、今作への思いを聞こう。
「俺らはどこにも消えないぜ、ギャングスタだからな(意味不明)。スタイルとかファッションにばかり気を使ってるヤツも多いけど、そんな連中はニセモンだってすぐにバレるさ。じゃなきゃ俺らが叩きのめしてやるぜ! 言っとくけど俺らはギャングスタ・ラッパー、誰にも俺らのことは止められないんだ!」。
鼻息荒く語るロックだが、気になるのはトレイ・ディーについて。発砲事件に巻き込まれ、お務め中らしいのだが……。
「トレイの調子はイイぜ。今作はタイトルどおり〈トレイを釈放しろ!〉ってコンセプトで、ヤツのためにリリースしたんだ。もうすぐ出所してくるらしいけどな」。
先に述べられたようにスヌープとのビーフは噂に過ぎなかったようだが、ではロック自身は213の復活作をどう思ったのだろう?
「ああ、聴いたよ。まぁ普通だね~」。
うむむ。では、イーストサイダーズに限らず、西海岸のヒップホップに多大な影響を与えた偉人、リック・ジェイムスの死をどのように受け止めているのだろう。
「確かにリックの死は悲しいけど、俺らの周りじゃ仲のいい連中が毎日ヒドい死に方をしてるんだぜ。西海岸のシーンもみんながいっしょになって新しいゲーム・プランを作らなきゃいけないと思うよ。シーンは以前とは違うんだしな」。
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