5月に大阪ドームにて開催されたオールナイト・イベント〈SATURN〉でのパフォーマンスも大好評だったBuffalo Daughterによる、DVDレビュー型コラム。毎回メンバーリレー形式で、彼らの耳や目に〈ビッ〉ときた映像作品(映画からプロモクリップ、ライヴビデオまで)をご紹介します。さて第三回はシュガー吉永さんが、鳥との共同生活をヒントにオススメDVDを見つけてくれました。
突然ですが、最近オカメインコを飼い始めました。生後1ヶ月くらいでうちにやって来たため、人間の赤ちゃんと同じようにいろいろ世話を見てやらないとならず、完全に鳥中心の生活を送っております。
臆病なオカメは大きな音などには驚いてパニックしてしまうので、かけるCDもレイモンド・スコットの『Soothing Sounds For Baby』、バッハ平均律、カヒミ・カリィなど〈子供に優しい〉音楽中心。無音な時間もかなり多く、そういう時は歌ってあげたり口笛を吹いたりすると「あれ?」と耳を傾けたりして、もうそのしぐさったら超可愛くてハッキリ言ってヤバいです。住んでいる地域もヒジョーに静かなプチ田舎な場所なので、聴こえる音といったら外のカラスやホトトギスの鳴き声、ドでかいハエや蜂が飛ぶ音と風の吹く音くらい。なんだか隠とん生活のように聞こえるかもしれませんが、鳥との静かな生活が逆に〈音〉に対する意識を高めてくれている感じで、何年か前に〈環境音〉ブーム(?)で意識的に環境音に敏感になった時とはまた別の次元に突入した感があり、個人的には大変充実した毎日でございます(笑)。
そんな近頃の私がお勧めしたいDVDはもちろん鳥モノで(LOL)。「Wataridori」と「ポーリー」いかがでしょうか? 鳥ってこんなにかわいくて面白い生き物だったよなあ、と再認識することうけあい。前者はオスカードキュメンタリー部門にノミネートされながら監督自身が「これはドキュメンタリーではない」と言ったほどで、いわゆる“科学モノ”ではないところが好き嫌いの分かれるところでしょう。この監督は以前に「ミクロコスモス」という昆虫モノも撮って凄く話題になりましたよね。あくまでも映像美と見ている者のイマジネーションに訴えかける作りになっていて、「Xファイル」のスカリー捜査官よろしく〈scientific evidence=科学的根拠〉を求める人には向きません。どちらかというとモルダー・タイプの、イマジナティブに真実を追い求める人向きです。挿入音楽もまあわりと押さえめで、鳥の声や自然のままの音をきっちり聴かせてくれます。後者はドリ-ムワ-クス製作の喋るインコが主人公のファミリー向けロードムービー。ストーリーも音楽もヒジョーにありきたりですが、なにせインコ(本物)が主人公ですからインコ&オウム好きの人は必見。ハリウッドのインコは歌にあわせてくるくる回って踊ったり、さすがに役者が揃ってます。
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