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第48回 ─ 無限に広がるクール&ザ・ギャングのオデッセイを豪華トリビュート作と共に総覧!!

連載
360°
公開
2004/04/28   17:00
更新
2004/04/28   19:58
ソース
『bounce』 253号(2004/4/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

600字で振り返れると思うな!! クール&ザ・ギャングの超駆け足ヒストリー


KC &ザ・サンシャイン・バンドとゴッチャになってないかね!? ワシらがクール&ザ・ギャングだよ。今回のトリビュート盤『The Music Oddyssey』に参加したワシらの〈子供たち〉を紹介するよ。同時に、この10年ほどのK&Gリサイクル例も紹介してみようじゃないか!!

 ニュージャージーにてクール&ザ・ギャングが結成されたのは64年、オリジナル・メンバーはロバート“クール”ベル(ベース)にその兄弟のロナルド・ベル(キーボード)ら5人でした。ファンク・アクトの前座などを務めて奮闘を続けた彼らは、69年にディライトからデビューを果たします。ジャズの要素をファンクのボトムに組み合わせたホットな音楽性は瞬く間に人気を集め、“Jungle Boogie”や“Funky Stuff”などのヒットを連発して、一躍トップ・バンドの地位を確かなものに。70年代中盤にはディスコ・ブームの余波で失速するものの、79年から方向転換。専任リード・シンガーとしてジェイムス“JT”テイラーを加え、エウミール・デオダートをプロデュースに招いた“Ladies Night”が大ヒットを記録して息を吹き返すのです。以降も“Fresh”“Misled”などが破竹のヒットを記録し、なかでも“Celebration”は全米ポップ・チャート1位を獲得。ファンクのみならず、“Cherish”や“Joanna”のようなAOR~ブラコンの軟派路線も広く愛され、彼らは2度目の黄金時代を迎えます。

 89年にJTがソロ転向した頃を境に、バンドの動きは徐々にマイペースになっていくのですが、近作『Gangland』に至るまでそのオープンマインドな音楽性は終始一貫してクール。一方ではカヴァーやサンプリングを通じて、後の世代からの評価も絶えることなく続いています。彼らのグルーヴはいつも世界のどこかで鳴り響いているのです。(編集部)

▼クール&ザ・ギャングのオリジナル作を紹介


75年作『Spirit Of The Boogie』(De-Lite)