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第43回 ─ 『Def Jamaica』に象徴されるレゲエとヒップホップのちょっとイイ仲

ヒップホップ/R&Bへのレゲエ勢客演

連載
360°
公開
2004/02/19   11:00
更新
2004/02/19   18:08
ソース
『bounce』 248号(2003/10/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

 まずはザッと例示する。現在全米チャートを驀進中のビヨンセ“Baby Boy”をはじめ、ショーン・ポールをフィーチャーした楽曲が昨年末から後を絶たない。ジェイ・Z、バスタ・ライムズ、ブルー・カントレル、マイア、マーク・ロンソン(初出はショーンのアルバムだが……)らが自曲にショーンを迎えているのだが、まだダンスホール勢がどんどんヒップホップ/R&B作品を浸食しているとまで言える状況ではなく、現状ではショーン個人の人気が突出している感じ。ネプチューンズの手によって復活を果たし、112と共演も果たしたスーパーキャットが目立つぐらいか。これはヒップホップ/R&BサイドがレゲエDJ(のフロウ)に求めるアクの強さや土臭さが、台頭する南部や中西部のMCたちの個性でまだまだ代替可能なものだからかも知れない。つまり、現状のヒップホップMCを凌ぐ個性的な声芸を持ったジャマイカの〈ラッパー〉が待たれているのだ。
▼2003年にリリースされたコラボ曲を含む作品。