2003年、音楽ニュース振り返りまくり座談会～内田暁男×タクヤ（ミュージックマシーン）×原田リョウ×フミ・ヤマウチ×ヤング係長～
ヤング係長（以下、ヤング）：今年はバンド解散のニュースが多い年でした。邦楽のバンドだと一番反響が多かったのはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT。ほかにも、Cymbals、GOING STEADYなどが解散しています。
フミ・ヤマウチ（以下、フミ）：僕がインタビューした時に「続ける」って宣言してくれたバンド（THEE MICHELLE GUN ELEPHANT記事、Cymbals記事）が何故か解散している……。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTはちょうど自分と同世代なんですが、あの年齢のバンドでマッシヴなロックを演っていることに感動を憶えましたね。文化系も体育会系もイケるバンドっていう意味では、稀少な存在でした。最後の幕張公演では、全ての曲の流れに統一感があって〈いいなあ〉と思った。ラスト公演では、お客さんは泣いている人と笑顔の人とハッキリ分かれてましたね。
内田暁男（以下、内田）：幕張の前にすごい数の公演をやって、ベストな選曲で臨んだんですね。
ヤング：最後まで、ファンにも自分たちにも誠実だったという感じですね。
タクヤ：GOING STEADYの解散は唐突すぎたけれど、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの場合は受け入れやすかったですよね。満期、という感じで。でも日本にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがいないっていう喪失感はでかいですよ。
ヤング：なるほど。洋楽の話題ではどうですか？
内田：タワーの年間売上げチャートの上位はt.A.T.u、エヴァネッセンス、ショーン・ポールあたりが占めていますね。ちなみに邦楽の一位はHYですね。
タクヤ：僕はt.A.T.uのグッズを2、3年後に身につけたらカッコいいと思います（笑）。
原田リョウ（以下、原田）：t.A.T.uは音楽的には、トレヴァー・ホーンがプロデュースしたという文脈でも一時期語られましたね。
フミ：誰もが人生の中で二枚目に買うような、洋楽のCDですよね。あとエヴァネッセンスは、今の洋楽シーンの最大公約数だという気がする。
原田：J-POPだとキリンジがブレイクして以降、〈音楽性の高さだけで勝負できるんじゃないか？〉みたいな確信をもった人は沢山いたんじゃないでしょうか？
ヤング：確かに、比較的年齢の若いアーティストにインタビューすると、「キリンジを聴いてる」という人は結構多い。
フミ：僕のリサーチしたところによると、風俗嬢もキリンジを聴いてるっていうので、これは本物かもしれなぁ。その子はaikoとかも聴いていた。
ヤング：現場の声だ（笑）。
