カタログ事情も決して豊富とはいえないが、アメリカで驚きの作品が秘かに復刻されていた。パーカッショニストのペッカーが大村憲司、松岡直也、吉田美奈子、そしてスライ&ロビーを迎えて80年代初めに発表していた、ジャマイカ&東京録音の2作を一枚にまとめたダブ・アルバム『21st Century Dub』。これぞ決定盤というべき一枚だ。また、日本でも坂田明、村上“PONTA”秀一らが結成していたWha-ha-haの81年作『Live DUB』が復刻されたばかり。こちらはライヴ音源にリミックスを施した先駆的な一枚。またゴンザレス鈴木が松岡直也の初期ナンバーをコンパイルした〈渋谷ジャズ維新〉シリーズの第3弾〈GONZALEZ SUZUKI Collection〉は多くの発見がある興味深い内容だ。関西の王者、NANIWA EXPは18年ぶりとなる復活作『LIFE OF MUSIC』を発表。彼らの過去作品はほとんど廃盤状態だが、全盛期同様の重厚なグルーヴは健在だ。
▼文中に登場した作品を紹介
ペッカー『21st Century Dub』（Roir）
