人気パーティー〈Lazy Dog〉最終章
ロンドンで絶大な人気を誇る、エブリシング・バッド・ザ・ガールのベン・ワットとDJジェイ・ハナンによるハウス・パーティー〈Lazy Dog〉。ついに5月16日のフェアフェル・パーティーを最後に約5年に渡る歴史にピリオドを打つこととなった。キャパ200人のノッティング・ヒル・アーツ・クラブをホームに、ディープ・ハウス、ブラジリアン、ラテン、ヒップホップなど二人の絶妙なコンビネーションで質の高さは定評があり、アート系、ファッション系、メディア系などヒップな人種が集う場所としても注目されてきた。日曜日のロングキュー(長い列)はお約束、コンピレーションCDのリリースや、海外ツアーを行うなど、この5年間で人気パーティーとして不動の地位を確立。4月27日にノッティング・ヒル・アーツ・クラブで行われた〈Lazy Dog is Dead - Long Live Underdog〉は長年のホームで最後のプレイ。別れを惜しむファンたちが押し寄せ、いつにも増して入場困難。予想どおり私は耐久戦に負け脱落…。しかし、会場をThe Endに移して迎える本ラスト・パーティーは5月16日。チケット完売済みだが、当日のエクストラ・チケットにかける価値はありそう。
ベンとジェイはこれを機にそれぞれの道を歩み出すこととなる。
ジェイ・ハナンは〈Lazy Dog〉と同じ枠(日曜@NHAC)で〈Underdog〉と名前を変え、独自のテイストを全面に押し出したFunky&Groovyなパーティーをスタートさせる。ガイダンスなどの優良レーベルをイギリスに最初に紹介した元ブラックマーケット・レコーズの名バイヤーとしてのキャリアを生かし、レーベルSociety Heightsを設立、DJコンピレーションをリリースしていく予定だ。
ミュージシャン、DJ、クラブ経営者、レーベル・オーナーと最近はビジネス手腕を発揮するベン・ワット。昨年彼がオープンしたDJバー、チェリー・ジャムはウエストエンドの端、ベイズウォーターに位置する隠れた名バコとしてひそかな人気スポットとなっている。ベンとジェイが隔週でレジデントをつとめる毎週土曜の〈One Starry Night〉ほか、バズグス・イン・ザ・アティックなどのブロークン・ビーツ系パーティー〈Got The Bug〉、ラフトレード・レーベルによるニューカマーのショーケース、デーモン・アルバーンのレーベル〈Honest Jon's〉ナイトではシークレットでデーモンがDJすることもあり。また、ベンはチェリー・ジャムに続き、ノッティング・ヒルのクラブ、Subteraniaを買い取り全面リニューアルを開始している。名前をNeighborhoodに改め、キャパ600人の音楽とアートのための空
間をめざし、今年の夏に生まれ変わる。そしてレーベル・オーナーとして、Buzzin'Flyを立ち上げ、4月28日に彼の変名Lone Catをリリース。5月3日、4日にチェリー・ジャムでレーベル・ラウンチ・パーティーを行った。ヴァージンからソロ・アルバム・プロジェクトも進行中のベン。自ら仕事中毒というように〈Lazy Dog〉が終わっても、ベンとジェイの活動は活発化していきそうだ。(Tamami Yamaguchi/ London)