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第9回 ─ ヤンキース松井も必読?アメリカ人のズレた日本観

連載
Sonically Speaking
公開
2003/04/17   14:00
更新
2003/04/17   16:23
テキスト
文/キース カフーン

サムライ、フジヤマ、ゲイシャ。。じゃないけれど、アメリカ人にとってはまだまだ「ミステリアス」な国=日本。今回はキースが様々な角度から「アメリカ人のズレた日本感覚」を教えてくれます。

アメリカ人にとって、東京は素晴らしく奇妙な街だ。ミステリアスで好奇心を煽り、驚きの連続を与えてくれるのである。巨大な街東京には、道路が入り組み、高層ビルと風変わりな外見の建築物が入り混じり、桁外れの数で街行く人々が街中を埋め尽くしている。かっこいい車がたくさんあるわりには、ほとんどの人が電車で移動をする。ネオンサインはそこらじゅうにあるが、そこにちりばめられた文字はネイティブにも理解不能な英語で書かれており、何の店なのかすらわからない。アメリカ人が何かにつけてカジュアルである一方、日本では往々にして礼式が重んじられ、日常慣習ですら「決まり」があるものだから、さらにミステリアスさに磨きがかかる。

ビジネスに関してもそのミステリアスさは言える。極東の小さな島国でありながら世界第ニの音楽マーケットであり、発明の才に恵まれたSony(Walkman、 CDやAIBO)の故郷としても知られ、諸外国のビジネスを熱心に「研究」する。バブル時代、海外ジャーナリスト達は、そういった日本の優れたkaizen(改善)システムについての書籍を数多く出版したが、現在は日本の「ゾンビ化した経済」について書くのが主流となっている。実のところ、日本人というのが果たして天才なのかクレイジーなのか、測り知ることができないのだ。

では、音楽に関してはどうなのだろうか? 本国アメリカでは無名でありながら、日本でなぜか幅広く支持されているアーティストがいる。プロモーション目的でこの「評判」を乱用するバンドがいるため、どこまでが真実なのかは分からないが、それらのアーティストは音楽業界では“Big in Japan”と呼ばれている。この“Big in Japan”の代表として知られているのがチープ・トリックだ。彼らは1978年に武道館でのライブアルバムを発売、アメリカ国内でこのアルバムが発売されなかったこともあり、コアなファンを中心に武道館の名を広めるきっかけとなった。それからというもの、武道館でライブを行うことは、アメリカのアーティスト達にとっても憧れとなっているようだ。

▼ ライブ・アット・ブドウカンは「Big In Japan」の証?。

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